オリジナル10の同志として ~清水戦レビュー~

0.まえがき

昨日、2014年10月26日に行われた、J1第30節、清水エスパルスサンフレッチェ広島

アウェーゲームながら、幸いにもTV観戦できました。

それは良かったのですが、あいにく、私自身が、微熱&軽い頭痛、という状態に陥ってしまいました…

そのため、負荷をかけないために、レビューはお休みにして、普通に観戦することにしました。

微熱の影響ではありませんが、今回の記事は、少しいつもと違うテイストになりました。

レビューというよりも、エール的な内容です。

なお、頭痛薬を飲んで寝たら、何とか正常に戻ったみたい。仕事も休まずに済みました。

1.先制点が流れを決めた

試合の立ち上がり、そうですねえ、前半20分ぐらいまででしたか、その時間帯は、清水が、前からの圧力を積極的にかけてきていました。

広島は、動きが硬かったか、パスでうまくいなすことはできなかったようです。

それでも、清水の攻撃に関しては、きっちりと2ラインを引き、しかも、ラインを下げ過ぎることなく、バイタルを狭めて、危険なシーンを作らせない守備をしていました。

結局、この時間帯の清水のシュートを、わずか1本に抑えたんでしたね。

こうして、我慢の時間帯を終えた広島が、いつの間にかバランスを崩していた清水の最終ラインのスキを突く形で、

塩ちゃんのロングフィード→寿人の左足ボレーでの折り返し→直樹がフリーでシュート

の流れで、先制点をもぎ取って見せました。

寿人の折り返しはもちろん素晴らしかったのですが、塩ちゃんも、フリーで蹴らせてもらえれば、あのくらいの精度は出せますからね。

正に、広島らしい見事な得点でした。

2.どうした、清水

ギシさんの素晴らしいクロスに直樹が飛び込み、2点目を獲得した瞬間。

清水ベンチは、シンと静まり返ってしまったのだそうです。

その後の清水は、チーム全体が何となく空回りしてしまいました。

チャンス自体は作ったのですが、危険な香りは、正直言って、あまり感じませんでした。

ノヴァコヴィッチの苛立つ表情だけが、とても印象的でした。

後半に入り、高木俊幸が投入された時に、ようやく、チームが活性化したように見えました。

過去に広島戦で結果を残してきた選手。自らも語っていたそうですが、途中出場で流れを変えるのは得意な選手。

実際、「意外なシュート(本人談)」で1点奪いましたし、広島サイドの私も、その後の数分間は、連続して失点してしまうのではないか、と不安に感じるほどでした。(大宮戦の悪夢を思い出していました。)

ただ、結局、清水が真に活性化した時間帯は、この試合では、残念ながら短かったようです。

スコアは1-3。失点こそ喫した広島でしたが、内容では完勝といっていい勝利でした。

3.同志、清水を想う

Jリーグ発足当時、私は、もちろん広島ファンだったのですが、ジェフとかフリューゲルスとか、割と好きなチームがありまして、エスパルスもそんなチームでした。

J唯一の市民球団として、サッカー王国の期待を一身に集めていたと記憶しています。

広島にとっては、何年も日本平で勝てなかった苦渋の歴史もありますが、ステージ優勝した時には、その日本平で、高木琢也の2発(しかも足元の技術も見せた!)で勝利してみせました。そんないい思い出もあります。

私にとっての清水は、オリジナル10の同志として、得難い好敵手なのです。

そんな清水が、残留争いの中にいます。

今回の試合を観て感じたことは、選手たちが、今置かれている状況に戸惑い、平常心を失いかけているのではないか、ということでした。

先に失点してしまってから、選手たちの動きが格段に落ちたように思います。

負けてはいけない試合でビハインドを負ってしまえば、ただでさえ焦ってしまいがちな場面ですが、降格の危機がちらつく現状では尚更そうでしょう。

よく分かります。分かりますが、結局、残留したければ、勝ちたければ、その状況に打ち勝つしかないのではないでしょうか。

そのためには、目の前の1試合を、脇目も振らず全力で戦うこと、まずはそこからだと思います。

2点差つけられたぐらいで、意気消沈してちゃダメでしょう!

踏ん張れ、エスパルス

あと、これを読んで下さった清水ファンの皆さん、その方々にもお願いです。

ファンなら、最後まで諦めないで下さい。頑張るのは選手たちだけではないですからね。

よろしくです。

4.サンフレッチェはやるべきことをやる

さて、サンフレッチェです。

浦和が引き分けに持ち込んだことで、ついに3連覇の目標は、叶えられなくなりました。

残念ですが、各チームの広島対策に苦しみ、中2日で豪州という過酷な日程に苦しみ、怪我人に苦しんだ中で、賞金圏内に手が届く位置にいるのですから、悔しさの中にも、何か誇らしい感情が湧き上がってきます。

まずは、この1勝で、来年もJ1で戦える権利を得ました。

当座の目標は、6年連続となる賞金圏内(7位以上)を最低限として、ACL出場権(3位まで勝ち点差6、但しライバル多し)、そして、何と言ってもJリーグカップですよね。ナビスコ杯。

サンフレッチェとして初めてのカップ戦制覇を、今回こそ成し遂げて欲しいものです。

そのためには、次のホームでの大宮戦を大事に戦うべきですね。

いや、ナビスコを含めた、今年の公式戦の残り5試合、すべて、大事に戦わなければならないのでしたね。

サンフレッチェは、常にその試合をサンフレッチェらしく戦うことで、今の地位を勝ち得てきました。

残留争いのカギを握るチームのひとつとなった広島ですが、相手が残留を賭けた戦いであろうとなかろうと、目の前の試合を勝ちに行くことは変わりません。(実際、一昨年は神戸に引導を渡しましたし。)

広島ファンの1人として、その戦い、見届けていきます!

5.偉業

あ、そうです、忘れる所でした。

寿人選手、11年連続2桁得点、達成おめでとうございます!

(読んでくれてはいないでしょうけど(笑))

仙台でスタートし、広島に来て10年間、途切れることなく続いてきた記録です。

確かに、J2での記録が2年含まれています。海外に移籍した選手の中には、もしJリーグに居続けていたら、同様の記録を作れる人もいたかもしれません。そんなことを言い出す人もいましたが…

だが、それが何ぞや!

プロの世界で、足掛け11年、基本レギュラーとして出場し続けることが、どれだけ大変なことか。少し想像すれば分かるはず。

無論、私にはできません。これを読んで下さっている、ほとんどの方がそうでしょう。

ちなみに、ゴン(中山雅史)の最長が3年ですね。カズ(三浦知良)が4年。

マルキーニョスで5年ですか。(2011年にセリエAに行ったためで、もし移籍せずにとどまっていたら、今年で9年連続になっていたかもしれませんが。)

まあ、他の選手と比較することではないですかね。誰かが今後、彼の記録を破ることがあっても、寿人の偉業に傷がつくことはありません。

ともあれ、ご苦労様です。次の試合からも、よろしくお願いします。

6.あとがき

最初は、安永聡太郎氏の解説を評価(すこぶる良!)したり、J’s GOAL の試合プレビューに物申したりする予定だったのですが、書いているうちに、全く別の方向に進んでしまいました。

私としては、残留を争っている5チームすべて、落ちて欲しくはないチームばかりなのです。

よって、清水だけに肩入れしている訳ではないのですが、それでも、思うところがあったので、指が動くまま、記事に残しました。

何せ、20年来の付き合いですからね、清水とは。

それでは、これにて。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。