画竜点睛の差 ~川崎戦レビュー~

0.まえがき

私は、ブログを通じて、自分の意見や考えを発表しています。

そして、時々コメントして下さる方々が居てくれて、その返信等を通じてやり取りさせてもらっています。

一方、私は、ツイッターフェースブック、インスタグラムなどの、いわゆるSNSはやっていません。

単なる一般人の私にとって、本名や素顔を公にするメリットは何もないので、インスタやフェースブックをやる必要がない、というのがひとつ。

そして、私がツイッターをやらないのは、あまりにも外界との間口が広すぎることと、その手軽さ故に、書き込む言葉が直線的になり過ぎてしまいそうだ、という危惧を、自分自身で感じるからです。

「顔が見えない」人から発せられた言葉は、得てして、その人の意図よりもキツい印象を与えてしまうことがありますからね。

やはり私には、当ブログでいつもやっているように、十分に時間をかけて、言葉を吟味しながら書き進めていくやり方が、性に合っていると思います。

1.二つの「一抹の不安」

2017年10月21日、土曜日。

前記事で触れた通り、私は約5ヵ月ぶりに、サンフレッチェ広島の試合を観ることができました。

試合途中から観たことはありましたが、アタマから観戦できるのは本当に久しぶり。

そして、レビューのためのメモ取りも。

真っ白な紙を用意して机に置き、それに正対して座ったときは、さすがに「感覚がどうかな?」という疑問形が頭をよぎりました。

ところが、そのときよりも前、発表されたスタメンを見たときに、実は、一抹の不安を感じたのでした。

いや、「不安」と言うよりも「不満」と書いた方が正解に近いかな。

というのは、「前節(鹿島戦)は、敗れたものの、チームとしては機能していた」という評価を聞いていたから。

つまり、機能していたメンバーを敢えていじったことについて、私には少し納得できかねる部分があったのです。

2.ミシャ・リスペクト?なフォーメーション

とはいえ、ピッチ上で戦うのは、我らがサンフレッチェの選手たちなわけで、期待して応援する気持ちは変わりませんでした。

この日の左SBは椋原ではなく壮也でしたが、攻撃面を強めに意識した選択をしたんだなあ、と思いました。

また、NHKの予想フォーメーションを見ると4-5-1の1ボランチで、Aロペやカシッチが外目に張り出した位置に置かれていたので、彼らをワイドに使えるなら面白いなあ、などと考えていました。

っていうか、ミシャ式の攻撃時フォメに近いじゃん、と感じてしまいました。

3.せめぎ合う中盤

勝ち点3の獲得を目指す戦いが始まりましたが、立ち上がりから、両チームが中盤でせめぎ合う展開になりました。

川崎の方に特長が出ている気がして、気持ち、川崎に分がある展開かな、とは思いましたが、まずは互角の戦いでした。

そんな中、うまく体を使ってファールをもらうAロペ。

「もらい方がうまいなあ」と観てましたが、そればっかり狙うのは止めてほしいなあ、とも思いましたね(笑)。

4.ポイチの頃に見たかった

この日の広島は、皆川、稲垣、森島、といった、若くて運動量に期待できるメンバーを先発使いしました。

そして、前線から川崎に圧力をかけてボールを奪おう、という意図が見えるサッカーを展開していました。

そんな「前プレ」を観ていて、「これがポイチさんが今年やりたかったサッカーなんだろうな」と私は思いました。

もしもポイチさんが、春先の勝てなかった時期にもブレずにこれを突き詰めていたら…

今さらタラレバですが、そんなことをふと思いました。

事実、川崎戦前半の半ば辺りは、運動量で川崎を上回り、両サイドに振り分けながらの攻めも見られて、川崎にチャンスを作らせていませんでした。

個人的には、少し森島が消えているように見えたのが気にかかりましたが、それは、攻撃面で稲垣が目立っていたように見えたことの裏返しだったようです。

(後日、「攻守のバランス取りに貢献した」という評を見ました。)

5.もったいないミス

雨が降り続き、気温もさほど上がらない天候が、運動量的にプラスになるんじゃないか、と考えていた私。

しかし、その雨が、GK中林の痛恨のミスを生み出す要因になろうとは…

前半40分、中村憲剛の蹴ったFKのボールが、中林の守備範囲へ。

何でもない球に見えたのですが、濡れて手が滑ったか、中林が落球してしまいました。

テレビで観ていて、本当に「まさか!」という感想でした。

中林にとってももちろん痛恨事だったでしょうが、う~ん、もったいなかったなあ。

無論、これはミス以外の何物でもなく、大いに責任のあるプレーだったと思います。

このワンプレーが悪影響になったのも事実で、中林が責められることは仕方ないところでしょう。

ただ、中林がその前まで、危ないピンチのシーンを3~4回防いでくれていたことも事実。

だから私は、「このミスだけでは彼を責められんよ(少なくとも試合中は)」という気持ちでした。

6.痛かった追加失点

川崎GKの治療・交代などがあったため、前半のATは長めでした。

そのATに入った頃、画面を観ながら、私は「あ、戻りが遅いな」と思いました。

三好の素晴らしいシュートがゴールに刺さったのは、その直後でした。

ディフェンダーの寄せなど、もう少し何とか出来なかったか、という意見もありますが、カウンター気味のワンチャンスを仕留めてしまう相手の技量に、脱帽せざるを得ませんね。

しかも、失点直後のAロペのシュートがポストに直撃してしまうのを観てしまったので…

7.古い課題

ハーフタイムの間に考えたのは、攻撃の形は良くなっていたが、最後のプレーの精度が今ひとつだったことでした。

これは決してシュートだけの話ではなく、崩した後のアシストのパスとか、突破した後のクロスとか、CKとか、すべてのところに共通する話です。

相手がいることなので仕方ないんですが、この辺りの課題がずっと尾を引いているのが、どうしても気にかかってしまいます。

特に今年は顕著なので、これが今の順位に結び付いている印象になりますよね…

8.応援モード

私のブログをよくお読み下さる方なら分かると思うのですが、私がサンフレッチェの試合をレビューするとき、後半の内容が薄くなることがままあるんですよね。

悪いんですが、今回のレビューも、その典型的なパターンになってしまいます。

つまり、サンフレッチェを応援することに気持ちが傾いて、試合展開を平静に見つめることができなくなってしまったのです。

何せ、後半分のメモ、たった6行でしたから(苦笑)。

9.気持ちは見えたが…

後半開始から、丹羽に代えて椋原を投入したことについて、「(攻撃面で利いていた)丹羽を下げるのか」と思いましたが、椋原も、逆サイドの壮也も、積極的な上りからチャンスを作り出していました。

特に、壮也の左サイドでは、何度も相手の裏へ抜け出し、狙いすましたクロスからチャンスを創出していました。

相手のカウンターをケアしながら、諦めずに攻めるサンフレッチェの選手たちからは、「何とかしてやろう!」という熱を感じました。

足りないものはゴールという結果だけ…

しかし、新井のキック一発から小林悠に仕留められて、万事休す。

今後のために「1点」という形を残してほしかったのですが、無得点という結果を残して、0-3で試合が終わりました。

10.画竜点睛

それにしても、何で後半10分のアレが点にならないのかなあ…

今回の試合で3点取られてしまったのですが、チームとして崩された失点は1つもなかったと思います。

いわゆる「やられた感」は全く感じませんでした。

もちろん、ミスとか一瞬のスキとか、そういう部分があったから失点しているのは確かです。

しかし、チームとしてやろうとしていること自体は、決してできていないわけではないと思うんです。

ではなぜ、川崎が3点取れて、広島が1点も取れなかったのか、というと、端的に言えば、決めるか決めないか、それだけの違いなんですよね。

皆川のGKに当たってしまったやつとか、いい例外もありましたが、基本的には、ポストやクロスバーに当たったり、枠に収まらなかったり、そもそもシュートに至らなかったり、そんな場面が多すぎました。

私もぶっちゃけ、ある時など、「クリアの練習してんの?」って思ってしまいましたから。

優勝を争うチームとの連戦で、「いまの広島のサッカーが十分通用するレベルにはあることを証明した」と個人的には感じました。

それだけに、チームが恒常的に抱える「決定力不足」という問題を解消できれば、残留争いの中でも少しは安心して観れるのになあ、と思いますね。

11.「何くそ!」という想い

さて、久しぶりに試合開始から通しで観てみて、観ていない間にヤフコメ等でよく見かけた「点が入らなくてジリジリする感覚」を自分自身が味わえて、これが今日の収穫だったなあ、などと思いました。

これは実は、この日の川崎戦を観終わって、ミスからの失点で負けてしまったことに対して不満な気持ちだった、ことを意味しています。

そんな気持ちを抱きながら、私は、サンフレサポのツイッターとか、ヤフー記事へのコメント欄とかを見に行きました。

するとそこには、「○○使えねえ」だの「J2落ち確定」だの、まるで自分の憤懣をぶちまけるだけのようなコメントがあふれてました。

人の振り見て我が振り直せ、と言いますが、そういうコメントを見て、私は「何くそ!」と思いました。

なるほど、得点だけ見たら完敗でしたし、いくら内容が良くても、それが勝ち点に結び付かなければ意味が無い、そういう時期です。

だから、厳しい意見が出てくるのは当然と言えましょう。

しかし、そういう建設的な意見が、そのときはあまりにも少なかった。

ただ不満をぶつけるだけのネガティブな意見ばかりだと私は思いました。

確かに、改善点があまり見られない選手もいるし、ミスを追及したくなる気持ちも分からなくはないんです。

でも、彼らをまるで人でなしみたいにけなす必要は、どこにもない。誰にもそんな権利はないんですよ。

12.応援する気持ちがあるのなら

それと、昨日スポナビにアップされた展望記事へのコメントで、誰かが「(今日の相手である)浦和に勝てるわけがない」と言い切っていて、「そう思う」票が多数入っていたんです。

もしもこれが、サンフレッチェファンの発言だとしたら、皆さんはどう感じますか?

私は、ここでも「何を!」と思いました。

勝てるわけがない?じゃあ、勝ったらどうする?頭でも丸めんの?

そんなことを言ってやりたい気持ちになりました。

サンフレッチェ広島を応援する者として、仮に相手がレアルやバルサでも、戦う前から白旗を上げるつもりはありません。

まして、実力伯仲のJリーグです。何が起こっても全く不思議じゃありません。

熱心なファンサポの中には1人もいないと思いますが、今日の浦和戦を含めた残り試合、「勝てるわけがない」という気持ちでスタジアムに行くのは、絶対にやめてもらいたい。そんな気持ちでDAZNを観るのは、絶対にやめてもらいたい。

願わくは、それこそ「俺らがサンフレッチェを勝たせたる!」ぐらいの気概で、ファンサポの皆さんには応援してもらいたい。

浦和、神戸、FC東京、柏、何するものぞ、ですよ、ホント。

戦いに挑む態度を、間違えないようにしてほしいと思います。

13.あとがき

なかなか書き始められなくて、結局、浦和戦直前にアップすることになってしまったのですが、いかがだったでしょうか。

久々の長文で、キャラが微妙に変化しているような気がしないでもないですが(笑)。

雨が上がった広島地方ですが、芝はスリッピーになっていると思いますので、ミスには十分注意して戦ってほしいですね。

今日は、ライブトラッキングの対象試合になっているようなので、せと☆ひできさんの速報と併用しながら、広島の勝利を想います。

最後に、「スポナビブログ終了」の件については、後日書くことにします。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。