自ら決めた自らの道へ ~浅野拓磨に贈る言葉~

昨日のジュビロ磐田戦を受けて、私は今夜、いつものようにレビューを書こうと考えていました。

いや、取りあえず今もそのつもりなのですが、先に書かなければならない事ができました。

本日、サンフレッチェ広島が、正式なリソースとして、「浅野拓磨選手のアーセナルへの完全移籍がクラブ間で合意いたしました」と発表しました。

浅野移籍の話自体は、確か先月辺りから具体的なニュースになっていたと思います。

様々なクラブからオファーが広島に届いている、という内容でした。

ただ、私は、これらのニュースを、さほど信用していませんでした。

そして、アーセナルが最有力、と書かれ始めた頃も、あまり当てにしてはいかんな、と思っていました。

なぜかというと、「サンフレッチェ幹部が」そのことを示唆した、という内容ばかりだったからです。

選手構成や契約については、広島ではおそらく、足立修強化部長が、責任者として担当するのだと思います。

しかし、1週間前ぐらいに出た「アーセナルと契約か」という記事は、単に「幹部」としか表記されていませんでした。

もしもサンフレッチェ広島が、移籍について発言するとすれば、当然、足立氏の名前が表に出なければおかしい、と私は考えているので、「これらの記事を鵜呑みにすることはできない」と思ったのです。

結果として、それらの記事は正しい内容でした。

しかし、クラブや本人が正式に発表しない限り、どんな記事もそれは「推定」でしかない、というのが私の考えであり、それは間違ってはいないと思っています。

まあ、それはそれとして。

今日の午後18時過ぎに、「浅野がクラブに海外移籍の意思を伝えた」という記事が時事通信から発信され(足立氏の実名入り)、それから少なくとも1時間以内に、サンフレッチェ広島のプレスリリースに、完全移籍のリソースが載りました。

正式な契約はメディカルチェックを待たねばなりませんが、今の浅野がそれに引っ掛かるとは思えないので、浅野の保有権はほぼ確実に、広島からアーセナルに譲渡されることになるはずです。

アーセナル移籍が世間的に「既成事実」となって以降、広島を去ることを惜しむ声や、移籍後の活躍に期待する声、逆に、アーセナルへの不安要素から自重を求める声、等々、様々な意見が飛び交いました。

浅野のことを非常に気に掛けてくれた、好意的な内容が多く、彼がここまでに残した足跡や、人間性の魅力などが、多くの人に伝わったんだろうなあ、と思いました。

が、反面、「アーセナルは止めた方がいい」という意見は気になりましたし、具体的に論じた意見も2、3、読ませていただきました。

もちろん、すべて「善意」で書かれていますし、危惧していることも理解できました。

しかし、彼は「自分の意志で」アーセナルへの移籍を選びました。

クラブのことを気に掛けた、部分ももしかするとあったかもしれませんが、サンフレッチェ広島は、浅野の意志を尊重したし、浅野も、自分の意志で、自分の道を選びました。

そのことは、誰が何と言おうと、事実以外の何物でもありません。

だから、アーセナルの所属になる浅野拓磨を、私はこれからも応援するし、他の皆さんにも応援をお願いしたい。

間違っても、「止めた方がいいと言ったのに」などと、ネガティブな論理で彼の旅立ちを汚さないでほしい、と、私は切に訴えたいと思います。

最後に、広島ファンとして。

浅野の言葉が、プレスリリースに載っています。

サンフレッチェ広島への感謝と、サポーターその他への感謝と、挑戦を続けていく決意とが、その言葉には満ち溢れています。

広島の選手として長く努めたいと、長期契約を結んでくれていた浅野。

下衆な話ですが、クラブに移籍金も残してくれました。

正直なところ、浅野拓磨という「戦力」に抜けられるのは痛いと思います。

でも、浅野は、そのことに後ろ髪を引かれる必要はありません。

浅野のいた場所に穴ができたとしても、クラブ全体の力を持ち寄って、必ず埋めることができるからです。

監督も選手たちも、「後のことは俺たちに任せろ!」と、快く送り出してくれるでしょう。

だから、浅野は振り向かず、前を向いてひたすら進んでほしいと思います。

彼は自信を持って次のステージへ向かうので、我々はその未来に期待するだけです。

これまでの感謝を持って。

浅野選手。

サンフレッチェ広島の選手として残り3試合、そして次の舞台でも、いつも全力を出し切るそのスタイルを貫いて下さい!

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。