【親善試合】U23ガーナ戦感想&あさのつだ評+α

2016年5月11日、「熊本震災復興支援チャリティーマッチ」として行われた、U23代表の親善試合。

ガーナのフル代表を迎えたこの試合は、日本が3-0で勝利しました。

選手達の奮闘と、勝利という結果が、被災地に向けた良いエールとなったことでしょう。

その試合から3日経ってしまいましたが、今回は、テレビ観戦した感想を少し書くことにします。

そして、広島関係者の2選手についても、感想を書こうと思います。

1.やることができていた日本代表

この試合を語る上で最初に述べるべきは、今回来日してくれたガーナ代表のチームは、「仮想ナイジェリア」としては、残念ながらその任ではなかった、ということです。

はるばる日本まで来てくれたガーナ代表に、我々は感謝しなくてはなりませんが、チームとしては力不足でした。

手倉森監督が試合前に望んでいたのは、「リオ五輪代表として初めてアフリカ勢と対戦することで、厳しい経験をしてほしい」ということだったそうです。

その意味では、今回の対戦相手は期待外れだった、と言わざるを得ません。

ラソンで、海外から呼んだペースメーカーが逆に乱ペースにしてしまうことがありますが、ちょっとそんなことを連想してしまいました。

そのことを踏まえてこの試合を見た時に、チャリティとしてはともかく、「リオ五輪代表の強化には意味のない試合だった」という声が上がっても仕方ないと思います。

しかし私は、相手関係とは別に、リオ世代の選手たちがやらなければならないポイントがひとつあると考えていて、そのことについては高い評価を与えていいと思います。

それは何かと言うと、守備の際、相手のボール保持者に対するチェックが怠りなく行われているか、という点です。

「手倉森ジャパン」のサッカーにおいて、それはチームの浮沈を占う生命線に他なりません。

相手の強弱に関わらず、ボール保持者へのチェックから連動した守備を行うことが、このチームでは求められています。

それはディフェンダーのみならず、どのポジションの選手でも怠ってはならない「約束事」だと考えます。

これができない選手は、リオ五輪でプレーすることはできません。無論、オーバーエイジでも同じです。

この試合に出場した選手は全員、このチームコンセプトを確実に遂行できていた、と私は見ました。

特に、攻から守への切り替え、その際の動きには目を瞠るものがありました。

相手関係で上手くいかない場合も今後はあり得ましょうが、選手たちが意識してプレーしている限りにおいては、どんな相手でも決して恥ずかしい試合にはならないでしょう。

そのことを示してくれただけでも、強化試合としての意味があったのだ、と私は思います。

2.広島関係者の個人評

◆ 浅野の場合

ガーナの守備エリアにスペースが多かったこともあり、試合開始から、浅野や富樫が裏を突く動きを見せ、彼らが起点となるシーンが多く見られました。

今日のガーナの選手たちに対しても、浅野のスピードは有効でした。

そして、最近の浅野は、狭いエリアでのプレーも以前より上達し、自らの突破や味方を使うプレーでチャンスを創出できるようになっていて、この試合でもそれが表れていました。

前半だけのプレーでしたが、総じて、浅野自身の特長は大いに発揮できたと思います。

ただ、本人も語ったように、ゴールという結果を出せなかったことは、やはり課題として残されてしまいましたね。

某メディアの評価で、(標準6点のところ)5.5点と採点されていて、「ここは6点でええやろ」と個人的には思いました(理由は先に述べた通り)。

しかし、(FWとして)得点できなかったこと、そして、彼に求められているレベルを勘案した場合、若干のマイナス点は止むを得ないのかな、と納得はしています。

アジア選手権でいみじくも見せたように、1つゴールを決めると流れが良くなる傾向にあるのが、浅野の特徴になってしまっています。

本大会のメンバーに選ばれるという前提があるなら、「今は生みの苦しみで、ゴールは本番に取っておく」でも構わないのですが、そういう訳にはいかないし、本人もそんなつもりは毛頭ないはずなので、ここはひとつ結果を出して、そんな妙な特徴は取っ払ってほしいと思います。

◆ 野津田の場合

久保や南野を呼んでいない今回のメンバーでしたが、そんな中でしっかり招集され、フル出場の機会を与えられた野津田でした。

彼が「戦力」として考えてもらえている、という事実を示すものとして、私は嬉しく思います。

そして野津田自身も、その期待に応えるべく、積極的にプレーしていました。

特に、チームのファーストシュートにもなった開始早々のプレーをはじめ、今日はミドルシュートが目立ちました。

ゴールこそ奪えなかったものの、中盤の選手として、チームに貢献してくれました。

つなぎの部分で、味方との関係性に良さを見せましたし、守備面でも、ファーストディフェンダーとして顔を出すなど精力的でした。

思うのは、やはり野津田は、右サイドの方が活きますね。

レフティーなので、彼の持ち味である攻撃的な姿勢を、直接ゴール方向に向けることができるからです。

左サイドでプレーするのであれば、もっとライン際まで食い込むプレーを増やす必要がありますね。

ともあれ、このガーナ戦では、浅野と同じく、野津田の特長が良く出た、いいプレー内容だったと思います。

ただ、プレッシング等によりスペースが狭くなった時にも同様のプレーができるのか、という点については、かねてよりの彼の課題であり、まだまだ心許ないですね。

幸い、野津田は、浅野と共にトゥーロン国際大会のメンバーに選ばれました。

出場機会が確約された訳ではありませんが、出場した折には、そんな私の不安を霧散させるようなプレーを見せてほしいと思います。

3.野津田の発言へのツッコミに突っ込んでおく

ガーナ戦後、久々に浅野とプレーしたことについて聞かれた野津田は、「素直に楽しかった」と答えました。

もちろん、前後に言葉はあるわけですが、記事の見出しとしてはそこだけ抜き出された訳です。

で、スポナビに載ったこの記事に対して「新潟では楽しくないってこと?」とコメントした人がいたんですよ(*)。

何だかなあ…

よくある揚げ足取りでさあね。野津田は新潟についてひとっ言も触れとらんのだから。

まあ、私も人の言葉尻を捕らえて皮肉ることが無い訳じゃないから、「見識を疑う」とまでは言いませんけどね。

それは置いといて。

野津田の新潟移籍から1ヵ月半、新潟の選手たちが野津田の特長をどこまで理解できているのか、といえば、理解度のパーセンテージはそれほど高くないと思われます。

一方、3年前に同期入団し、仲間としてライバルとして切磋琢磨してきた、浅野と野津田ですから、お互いのプレースタイルは十分に熟知しています。

もっと言えば、野津田は、リオ世代のチームを立ち上げた当初から主要メンバーとして参加してきたので、U23の面々も、野津田のスタイルは高いレベルで理解できているはずです。

そんな連中と一緒にプレーしたら、楽しいと感じるのは当然でしょ?

無論、野津田は、新潟でのプレーを疎かにはしていないはずですよ。

ただ、移籍の経緯を踏まえると、新潟ではとにかく必死にサッカーに取り組まなければならないので、彼が「楽しさ」を感じるゆとりはないのでしょう。

野津田は、確か以前に、「誰と一緒に出場しても連携してプレーしなければならない」という趣旨の発言をしています。

チームメイトとのコンビネーションが熟成されていなくても、野津田は、チームのためにしっかりしたプレーをしなくてはならない、と認識して、練習や試合に臨んでいます。

おかしなコメントをする前に、そこの所はしっかり見てあげてほしいと思います。

(*)「な~にぃ~?やっちまったな!」(笑)

4.終わりに

新潟ファンサポの皆様、野津田岳人をよろしくお願いいたします。

なお、タイトルの「あさのつだ」とは、浅野&野津田を意味しています。

某ブログで使われている造語を使わせていただきました。

無断借用ですが(笑)、よろしくお願いします。

それでは。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。