【ACL】不動のアウトサイドへの挑戦+α ~高橋壮也に期待を込めて~

驚いた人は多かったでしょう。

後で、森保監督に失望した人も少なくなかった、と聞きました。

しかし、せと☆ひできさんの速報でそれを知った時、私は「おーーっ!」となりました。

ACLグループリーグの山東魯能戦、入団3年目の高橋壮也が、大舞台での初先発を勝ち取ったのです。

昨年のナビスコカップ、グループリーグで惜しくも3位に留まってしまった、若い広島の選手たちの中で、左サイドをあふれるスピードで疾走する壮也の姿は、かなり目を惹いていたらしいのです。

残念なことに、その時の雄姿を、私は一度も観ることはできませんでした。

それがその日、初めて、彼のプレーを観る機会を得られたのですから、私はとてもわくわくしてしまいました。

「直前の練習で非常にいい動きをしていた」という監督の評価を得て、大きな期待を受けての出場となった壮也だったのです。

ただ、疑問もありました。

というのは、「壮也は左サイド」というイメージがあったからです。

航平なら両サイドでプレーできるのだし、壮也は戦い慣れた左サイドで使うのがベストなのではないか、と思ったのです。

この試合の壮也のエリアは、右アウトサイドでした。

そのせいで、ということでは無いのでしょうが、前半20分ぐらいまでの彼は、大きなインパクトを与えてはくれませんでした。

山東に先制を許すなど、押し込まれた時間帯だったので、仕方ないことではあったのですが、それを差し引いても、目立った働きができていないように思いました。

20分を過ぎ、山東の攻勢が一段落した頃、ようやく、広島の右サイドにも動きが出てきました。

壮也もまた、ボールを得て仕掛けていける段階に入ったようでした。

私は、壮也の思い切った試みを見たい、と思いました。

後半29分、カシッチとの交代でピッチを後にするまで、壮也は、十指に余るほどのクロスを、右サイドから供給してくれました。

しかし、決定的な場面を作ることはできませんでした。

私は、この時間まで壮也を引っ張ったのは意外でした。

後半15分ぐらいにカシッチを投入することができたら、試合の結果は違っていたかもしれない、と実は思っています。

この試合に限って言うと、クロスの精度を云々する前に、クロスの受け手との意思疎通ができていなかったのかな、と、私はそのように見て取りました。

寿人をはじめ、茶島、宮吉と、前線には高さがなかったので、壮也も考えて、ニアに低めの鋭いクロスを上げようとしている、とは思いました。

ただ、中央の選手たちと狙い所を共有できていたかというと、その辺りは少し物足りませんでした。

それと、普段、練習で屈強な広島のDF陣と対峙しているとはいえ、山東のDF陣にはまた違った強さがありました。

臆することなくプレーできていたとは思いますが、見えない壁は確かにありました。

私は、この試合の壮也を見て、そのように思いました。

通用している部分もあったけど、そうでない部分も多かった。

今日の結果は悔やまれるのではないかな、と私は考えました。

ところが、彼は違いました。

翌朝、壮也の試合後のコメントを知って、驚きました。

ミキッチの後釜と言われたいと思ってプレーした。課題と収穫があった。」(スポーツ報知より)

通用しないと嘆くどころか、広島が誇る偉大な先輩に追い付くことを考えながら、何かを成し遂げようと思いながら、彼はプレーしていたのですね。

その意気や良し!

私は脱帽しました。

後日、一昨日のことですが、「きたん」さんという方のブログで、高橋壮也が右肩を亜脱臼していた、と知りました。

多分、守備でイエローカードをもらった時だろうと思うのですが…

それでも彼は、試合に出ている間は勝利のために貢献しようと、強い気持ちでプレーしたのだと思います。

今はまだ、常時スタメンを張れるほどの強さはないかもしれません。

しかし彼は、高校時代に周囲を括目させたスピードと、気持ちの強さを持っています。

ミカが現役でいられる期間も、(本人が示唆しているように)それほど長くはないでしょう。

その残りの時間で、壮也には、沢山のものをミカから盗んでほしい。

いつかきっと、ミカを超える選手になってほしい。

その可能性は、決して小さくはないと思います。

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当初、この記事では、高橋壮也の他にもう1人、皆川佑介についてもコメントしようと思っていて、実際に途中まで原稿を書いていたのです。

ですが、止めることにしました。

私は、他の選手たちと同様、皆川にも大いに期待しているのですが、その期待感を、今回に限ってはうまく表現することができなかったのです。

ただ、ひと言だけ、ここで書いておくことにします。

今、皆川に必要なのは、どんな形でもいい、1点を取り切ることです。

その呪縛さえ解ければ、ひと皮むけて大きく伸びる可能性を、彼も秘めていると思います。

浅野や茶島のように。

さて、あの敗戦から1週間が経ちました。

図らずも、この話題を今日まで引っ張ることになってしまったのですが、あの試合で書きたかったことを書くのは、この記事で最後になります。

横浜FM戦はもう終わりましたし、金曜日には磐田戦も控えています。

そろそろ、次の展開に向かう頃合いですからね。

といいながら、あの試合の後で、あの試合に絡んでひとつ、書きたいことができてしまったのです。

実は、この数日間、そのことで私はずっと悩んでいます。

ここではその仔細は語りませんが、色々と懸念事項がありましてね。

現時点では、それを記事にする可能性は半々ぐらいでしょうかね。私にもよう分からんのです。

最後に。

「きたん」さんというお名前、私は聞き覚えがあるのですが、もしかすると、スポナビブログで書いていた(いる)人かもしれませんね。

青ちゃんと壮也の記事がメインのブログのようですが、読後の後味がいい感じでした。

それでは。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。