【天皇杯】徳島の見事な執念と、成功体験を得た広島の若手たち

1.徳島の見事な執念

スラムダンクを、読んだこともアニメを観たこともない私ですが、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という言葉ぐらいは知っていました。

状況とか言い回しとか、いくつかパターンがあるらしいのですが。

天皇杯4回戦の8試合のうち、2015年11月11日に行われたのは3試合。

いずれもTV放映はなかったらしく、私も、存在を忘れかけていたほどでした。

したがって、試合を観ることはできませんでしたので、NHKのサイトで試合経過や結果を見るのが関の山でした。

私は、夜9時前に帰宅し、そろそろ終わっているだろう試合の結果を見ようと、試合経過・結果のページを開きました。

そこには、後半45分、大崎淳矢の得点で徳島が1-1に追い付いたことを、示す表示がありました。

その表示は、何分かのちに「オウンゴール」になり、最終的に「内田裕斗の得点」に定まりました。

しかし、最初にそれを見た時、(元広島の)淳矢が得点をしたこともですが、それ以上に、徳島ヴォルティスの執念というか、粘りに、感動を覚えたのです。

私は広島ファンなので、もちろん、広島に勝利してもらいたい。だから、追い付かれたことは残念に思いました。

でも、徳島の選手たちは、例えJ1で目下勝ち点1位の広島が相手であっても(主力の多くが休んでいるといっても)、それに臆することはなかった。勝利を目指して最後まで戦い抜こうとしていたのでしょう。そして、同点ゴールという結果を残しました。

そのことが、とにかく素晴らしいと思ったのでした。

諦めなければ、何かが生まれる可能性が減らずに残っていくものです。

徳島の選手たちは、そのことを体現してくれたと思います。敵ながら、見事なものでした。

2.成功体験を得た広島の若手たち

さて、試合はまだ終わっていなかったのですが、土壇場に同点となったので、私は「延長戦になるかな」と思ったのです。

まあ、勝ってくれるなら、延長だろうとPKだろうと構わんし、次の試合も10日後だし。

今度は、広島の選手たちが勝利への執念を見せる番だな、とか考えながら片づけをして、再び、パソコンの前に陣取りました。

画面をリロードした後に目に入ったのは、何と、広島が勝ち越しゴールを挙げたことを示す表示だったのです。

延長戦に突入すると思い込んでいた私の考えを、浅はかだと笑うかのように、広島は見事、90分(+α)で決着をつけてしまったのでした。

いや、嘲笑ってくれて結構、全くもって、おみそれしました。

決めたのは、ビョン・ジュンボン。

2年目の彼は、レギュラー陣の高い壁を前に、実力を示すことができないでいました。試合出場の機会も少なく、これがナビスコ杯以来の出場だった由。

そんな彼が、野津田のクロスに頭で飛び込んでゴールを決めたのだそう。きっと、一生忘れられない得点になることでしょう。

今日の広島は、カシッチの復帰&フル出場があったものの、基本は若手主体のスタメンでした。

一部で「チームナビスコ」と呼ばれる彼ら。

ナビスコ杯では、惜しいところでグループリーグ突破を逃してしまいました。

そのときの悔しい思いを、彼らは忘れていないと思います。

リーグ戦ではなかなか出場できるところまでは届かない彼らですが、天皇杯では、ここまで、監督の起用により、チャンスを与えられてきました。

熊本、徳島と、相手のカテゴリーはJ2でしたが、油断したら足元を掬われかねない、危険なレベルの相手でした。

事実、2試合とも、簡単に勝たせてもらった訳ではありませんでした。

それでも、広島の若いメンバーは、「勝利」という結果を残すことに成功しました。

苦労の末に勝利を手にした彼らは、この成功体験で、大きな「きっかけ」を得られたと思います。

今日の勝利で、彼らには「欲」が出てきたと思います。

彼らは、勝利の味をもう一度味わうために、技術を磨き、練習の中でアピールしようと努力するでしょう。

彼らの中で新たな競争が生まれれば、レギュラー組とて安閑としてはいられなくなるはずです。

サンフレッチェに、新しいうねりが生まれる予感がしませんか?

3.最後に

これで、天皇杯のベスト8に進出しました。

ここまで勝ち上がると賞金が出るんだそうですね。良かったです。

頂点まではあと3つ。

中2日が続く鬼のようなスケジュールに、ちょっと辟易しているんですけどね…

それでも当然、勝ち上がった方が嬉しいのです。

次の相手、FC東京はもちろん手強いですが、是非とも勝って、元日に王手をかけてほしいと思います。

今日は(観れないので)書く予定ではなかったのですが、徳島と広島の勝負に心を動かされたので、急遽、書きました。

ああ、もうこんな時間か。かなり眠いです(笑)。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。