カズとJの22年間+結構大きなα
去年のJ1最終節の記事で、私の部屋に、TVチューナー付きのPCが新旧2台あるということを書きました。
2週間前の土曜日、そのうちの1つが、録画できなくなってしまったのです。
その週末と先週末、ヘルプに問い合わせてやり取りをしたのですが、解決できませんでした。
何でも、OSが制御していない、チューナー専用のディスクがあるらしく、そいつが故障した可能性が高いのだとか。
著作権の関係でそうなっているらしいのですが… やりきれない週末になってしまいました。
察しのいい方はお気づきだと思うのですが、録画不能になったのは、新しいパソコンの方でした。
購入して2年で不具合になるようなものを作らないでほしいという思いもありますが、精密機器の大量生産だから仕方ないかな。
(余談ですが、ヘルプの方は、二言目には「検査・修理するので送ってください」と仰るが、使う側にも都合があるので、そういう訳にいかんことがありますよね。当分、修理には出せません…)
一方、我が家のキング・カズこと、購入してまもなく15年になる某社のPCは、まだまだ元気に、その役目を果たしてくれております。
いつ力尽きるか分かりませんが、頑張ってほしいものです。
さて、パソコンで15年というのはなかなかの長寿だろうと思うのですが、世間的にはさして珍しい代物ではありません。
それに対して、本家、三浦知良選手は、ブラジルでデビューして以来、現役プロ選手として、来年満30年を迎えるという、稀有な存在であります。
Jリーグ発足前に帰国して、読売クラブ!(当時)に入団。以来、海外移籍の期間こそありますが、発足以来のJリーグを常に彩ってきた大選手ですよね。
もちろん、J開幕を知る唯一の現役選手。
先日、2試合続けて最年長ゴール記録を更新か!と話題になり、相手のオウンゴールで実らなかったものの、今も意気軒昂たる姿を見せてくれています。
私は、Jリーグの開幕以来、断続的にJを見続けています。彼についても、その折々で様々な感情を抱いてきました。
今回はそんなようなことを書いてみたいと思います。かなり長くなっていますが、よろしくお願いします。
なお、自分の考えを推測形で書いている箇所があるはずですが、それは、最早、記憶のディテールが曖昧だからです(礼)。
ヴェルディ時代のカズは、ハッキリ言って嫌いでした。
それは、JリーグMVP受賞時の、例の「風船割れたらカズが出てきた」というアレに代表される、チャラチャラしたイメージが、強烈に印象付けられたからに他なりません。
まあ、ヴェルディ自体も嫌いでしたからね。北澤や武田など、派手好みの選手が他にもいましたし、チームが強かったので、そういう意味での憎たらしさもありましたし。(なお当時、北澤が、数居るJリーガーの中で一番嫌いでした。数年後に見直すことになりましたけれども。)
カズダンスについては、そこまで目くじらを立ててはいませんでしたけどね、私は。
でも、ちょっと年配のプロ野球ファンを中心に、「あのダンスは何だ、下品極まりない」などとして、サッカー派攻撃の材料にされていました。
余談ですが、当時の「プロ野球vsJリーグ」という構図は酷かったと思いますね。私は野球もサッカーも楽しく観るので、あの対立は苦々しく見ていました。
今でも一部に根強く残っていると思われますが、どうにかならないもんかな、と個人的には思います。
閑話休題。
フランスW杯メンバーから漏れた時、世間では賛否両論巻き上がり、先輩女性社員ですら(笑)話題にしていたほどの大論争が繰り広げられました。
いや、大げさではなく、国を二分するほどの大騒ぎでしたよ。
私は、もう彼に対する悪感情はなくなっていましたが、どちらかというと岡田氏肯定派でした。
それは、監督の考えるゲームプランと選手の力量、あるいはプレースタイルとのせめぎ合いなのであって、仕方ないことである、と、当時の私は考えたのでしょうね。
そんな感じで、90年代は、私は比較的、カズに対しては多少辛めの評価をしてきたようですね。イメージというのは、良くも悪くも、感情を縛りますね。
2000年のオフ、京都パープルサンガから、カズは年俸0円提示を受け、退団することになりました。
その時私は、サンフレッチェが獲得の手を挙げてくれないだろうか、と思いました。
財政の問題でクラブとして苦心していたサンフレッチェでした。ここでカズに来てもらうことで、集客増を図ってみてはどうか、と考えたのです。
今こそ、カズのネームバリューが必要な時ではないか、と。
結局、年俸面の話や、クラブとしての方向性、戦術など、総合的な判断で、広島は手を挙げなかった、と思われ、今なら納得できることでありますが、当時の私は、その結論に忸怩たる思いを持ったものでした。
その後、私は、神戸での活躍を見て、カズへの評価を少しずつ良化させていったらしいです。
そして、私のカズへのイメージが決定的に良化したのは、横浜FCへの移籍からだったと思います。
彼ほどの実績を持つ選手が、J1チームへの所属が叶わなかった時に、J2のクラブを選択する。
当時、そのようなことが通常起こっていたのかどうか、今の私には記憶がないですが、彼のその選択は、私の目には意外というか、新鮮に映ったらしい。
その頃から、カズのサッカーに対するひたむきさとか、努力する姿だとか、そういう事々を知る機会が増えたように感じています。
それらを知ることによって、彼への考え方も、私の中で自ずと変化していったのです。
彼は私の2学年上に当たります。私のような平凡な小市民ですら感じる、肉体の衰え。
当然、彼もそれは感じているはずですが、彼はその不断の努力で対抗しようとしています。
フットボールという、スタミナと瞬発力を両立させなければならない競技を、40代になっても続けていくには、相応の努力が必要に違いない。
彼は今もその努力を続けているのです。「プロ選手」という高い次元で。
今シーズンの前、某番組で、カズの自主トレを取材する映像が流れました。
彼より7歳年下の元五輪代表キャプテンが参加し、早々に弱音を吐いていたという、激しさのあるトレーニングを観ました。
また、別の番組で、キャンプの様子を取材する映像が流れました。
Jリーグ開幕の前後に生まれた若い選手たちとカズとの交流を観ました。
彼は彼自身を「指導者には向いていない」と評しています。一生、選手としてプレーしたい、というようなことを語っていたと思います。
客観的に見て、それが正解なのかどうなのか、私には分かりかねます。
しかし、選手であり続けることを願い、努力を続けている、彼の気持ちは、理解できるような気がします。
Jリーガーとして、いつ力尽きるか分かりませんが、ご自身が納得いくまで、思うようにやっていただきたい。
私はそう思わずにはいられません。
先週末の土曜の夜に、私は、こういうことを書こうとしたわけです。
でも眠ってしまい、翌日にも書けず、ようやく今日、まとまった時間ができたので、書いたわけです。
しかしそんな中、例の騒動が起きたので、そのことに触れない訳にはいかなくなってしまいました。
よって、ここで書いてみます。
そもそも、あの番組はもう数年来観ていません(親分が居ない+MCが巨人ファンで若干ゴリ押し的だったから)。
なので、あの人がどのようなニュアンスで述べられたのか分からないのです。
ですが、想像はつくわけです。それを踏まえた最初の印象は、すこぶる悪かった。
先程、プロ野球とJリーグとの対立構造の話に触れましたが、思い出すと、当時もあの人は、その構造に当てはまる発言をしていたはずです。
(その点、大沢親分はまだしも寛容だったと記憶しています。)
あの人が、野球選手として一流に上り詰めたことは、我々の年代なら知っていますし、野球人として功成り名を遂げたという自負もお持ちのはず。
その信念に基づいてした発言なので、そのこと自体は問題ないと思います。
しかし、あの人の考えは、私の考え方とは全く異なっていて、受け入れ難いものでした。
まず、年齢を理由にポジションを明け渡さなければならないのか、というところ。
これは私も、以前の記事で触れたことがありますが、そもそも、ポジションとは奪うものではないのでしょうか?
おそらく、多くの監督が、同じ力量であれば、若い選手を起用したいと思うことでしょう。
そんな中、何だかんだでカズが起用されるのはどういうことなのか?
それは、若手やサブの選手たちからの突き上げが足りないということではないのか?
推測ですが、実はカズ自身も、若手が彼を乗り越えていくことを、心の底では望んでいるのではないでしょうか。
レジェンドであるカズを慕う若い選手たちが、彼から様々なことを学び、実力をつけ、やがてカズからポジションを奪っていく。
カズはそれを、父親のような気持ちで待っている。私にはそんな気がしてならないのです。
次に、あの人の発言には大きな矛盾があると思っていて、そもそも、あの人自身がベテラン選手だったとき、きっとこう考えていたと思うんです。
「若い奴らなんかにポジションを奪われてたまるか!」と。
もし、巨人時代に、川上さんとかナベツネ氏とかに「もう年だから引退しろ、後進に道を譲れ」と言われたら、あの人はきっと、目を剥いて反発したと思います。「オレはまだまだできる、ふざけるな」と。
カズ自身、J2というカテゴリーではありますが、戦力として十分やれるという自負があるはずだし、その裏付けを作るために、過酷な自主トレとかをやっているはずなんです。
いつかはポジションを取られる時が来るかもしれないが、それまでは「自分はまだまだ通用する」と思ってプレーする。
生涯現役を望むカズなら、当然、考えそうなことではありませんか。
選手だった人が、選手の心情を忖度できないというのは、ちょっとあり得ないことではないかと、私は考えます。
入ってすぐに消えていった選手じゃないんですからね(実勤23年・もちろん引退経験者)。
それに、物事に対する考え方には個々に違いがあり、そのことを踏まえて認めた上で自説を述べるのが、コメンテーターとしての役割ではないかとも思います。
まあ、生放送で、出された話題について短い時間で語らなければならない場合、そこまで気が回らないこともあるやもしれませんが、それだけに、本音に近い発言が出たとも言えましょう。
そう考えると、件の発言は短慮であったと言わざるを得ません。
以上が、あの人の発言についての私の意見です。
念のため書き添えておきますが、あの人の考えが正しいとか間違っているとか、そのことを書いたつもりは一切ありません。
あくまでも、私の考えと合う合わないの話をしてみただけですので、悪しからず。
本文に戻ります。
様々な反響を及ぼした件の発言。その反響についても思うところが2、3あるのです。
反響意見としてよく見た「引退の時機は自分で決める」という意見には、私も同感します。
もっとも、その時機すらないかもしれませんけどね。カズ自身がそれを示唆しておられますから。
私は、もしJリーグに彼の居場所がなくなっても、それこそタイとか、インドとか、どこへでも行って、サッカーを続けていくのではないかと思っています。
ちょっとそんな姿を見てみたい気がしませんか?
それから、あの人の発言から2~3日後に、カズがコメントを出した件について、「さすがはカズ、大人だ!」と称賛する意見が多かったと思います。
私も、それは同感するのですが、ちょっと別のことも考えているのです。
これは想像なのですが、カズが件の発言を伝え聞いたとき、本当はものすごく悔しかったのではないでしょうか。
プロ野球の名選手だったかどうか知らないが、何の権限があって、そのようなことを言われなければならないのか。
カズがそのようなことを一切思わなかったと、誰が言い切れるだろうか、と私は考えたのです。
まあ、私の想像はどうでもいいっちゃいいんです。
少なくともカズは「大人の対応」をしたと思います。それでこの件が収束に向かったのですから、何よりのことだったと思います。
最後に。
彼も横浜FCに来て、丸10年になるのですね。調べてみて驚いたのです。月日の経つのは早いですね。
彼を迎えた横浜FCは、カズから、有形無形の財産を得ることができたのだと思います。
それはゴール数だけでは測れない、素晴らしい財産であるはずです。
サンフレッチェにも、かつてセザール・サンパイオが来てくれました。ウェズレーや戸田和幸、ストヤノフといった、一流のベテラン選手も来てくれて、広島に貢献してくれました。
彼らのような選手たちがクラブに残してくれるものを、我々サッカーファンは、大事にしていかなければならないと思います。
改めて書きます。
カズ選手には、ご自身が納得いくまで、思うようにやっていただきたい。
応援しています。
<追加>
忘れてました。
最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。
(笑)