浦和戦雑感+N杯新潟戦も少々(前編)

0.はじめに

今日は2015年3月29日。昨日、ナビスコ杯の新潟-広島戦が開催され、結果が出ています。

これから、3月22日に行われたJ1第3節広島-浦和戦の感想を書いていきますが、まあ、何と書きづらいことよ!

尤も、本来は木曜の夜あたりに書こうとしていたのが、諸々あって書けなかった、のが原因なので、自業自得ということになるんですけど。

ということで、今回の記事、浦和戦については、当日、せと☆ひでき氏のサイトやスポナビサイトに載った速報を見ながら思ったことを中心に、周辺の事々を横糸として織り込んでいきます。(試合を観ていませんが、トンチンカンなことは書かないつもり。)

また、新潟戦については、前記事では予定していないと書きましたが、浦和戦の感想を踏まえた「その後のサンフレッチェ」を追う必要があると思ったので、最後の方で少し触れておこうと考えています。(「無気力相撲を監視する」とか言いながら検証記事を一向に載せようとしないとか、そんな無責任な書きっ放しは極力したくないのです。)

※今回の記事ですが、事情により、前・後編に分割させていただきます。

1.前半雑感

一般的な評価では「前半は広島」という意見が多数派で、当日の私もそういう感じを受けていたのですが、いま改めて両速報を見返すと、前半20分~35分辺りに浦和の時間帯もありましたね。

まあ、大まかな傾向としてはやはり、前半は広島のペースだったと言えるでしょう。

特に、試合開始5分ぐらいからしばらくは広島の優勢が続いていました。

陽介の試合後のコメントからもうかがえるのですが、おそらく、主に中盤のせめぎ合いの場面で広島が上回っていて、厚い攻撃につながったのだと思います。

そして、サイドをえぐってみたり、塩ちゃんが上がり目の位置(推測)から前線へ配給してみたり、と、広島らしいバラエティある攻めを展開していたみたいです。

なお、ミカのサイドは、槙野と橋本のラインが比較的自重気味に抑えた位置取りをしていたらしく、アクセントとして使う感じになった模様。

個人で言えば、茶島の奮闘が目立っていたとのこと。

今回、浅野や野津田がオリンピック世代の代表としてチームを離れている関係で、シャドーの位置に配置されたのですが、ドリブルやパスワークによって見せ場を作っていましたようですね。

浅野のドリブルがスピードを武器にした迫力型であるのに対して、茶島のドリブルはジャックナイフの如き切れ味が身上。浦和守備陣を大いに困らせたと思います。

2.後半雑感1 ~まずは試合展開を軽くおさらい~

後半も、当初は広島が優勢に試合を進めていたようです。

しかし、浦和も徐々に盛り返し、3人の交代枠を使い切った辺りからは、浦和優勢の状況になったようです。

ただ、広島のゴールを突破するには至らず、タイムアップの笛を聞くことになりました。

3.後半雑感2 ~浦和の選手交代について1~

後半11分、浦和が選手交代。石原と李忠成が下がり、ズラタン鈴木啓太が投入されました。

それに伴い、ボランチでプレーしていた柏木が、オフェンシブな位置にポジションを上げた模様。

私は、「この交代は助かったな」と、正直思いました。「怖さがなくなったな」と思って。

今回は広島DF陣がよく抑えていたとみえ、直樹やチュンソンの見せ場はさほどなかったようです。

それでも、この2人(特にチュンソン)のアグレッシブでグイグイくる感じは、広島相手には嵌ると思われるだけに、これからという時間帯に下げてくれて、少しホッとしたわけです。

もちろん、鈴木には過去痛い目に遭っていますし、ズラタンもいい選手なのですけどね。

ズラタンに関しては、私は実は、彼のプレーを観たことがないので、ピンときていなかったのが正しい。)

それから、陽介に関しては、リンクマンとしてはひとかどの選手だと思うのですが、ゴールに向かう姿勢が若干不足しているので、広島の守備陣にとっては比較的対応しやすいタイプ。

広島にとっては決して悪くない交代策、だと私は思ったのでした。

4.後半雑感3 ~浦和の選手交代について2~

後半19分、浦和が早くも3人目の選手交代。橋本を下げ、加賀を投入。森脇の位置を1つ上げてきました。

(「4バックに切り替えた」という説を見たのですが、どうなんですかね。私自身の印象を尊重して、3バックをキープ、という前提で話を進めます。)

この交代を見た第一感を正直に書きます。

「ミシャは、引き分け狙いに来たな」。

いま振り返ると、必ずしもそうは言い切れなかったな、と反省もするのですが、その時はね。

もちろん、そう思った理由付けはできます。いわゆる守備固めですよね。

普通に守備力を考えた場合、森脇よりも加賀の方が強いと思うし、安定感があると思うからです。

事実、森脇は1対1の守備がさほど強くないし、第1節のPKを取られたプレーもそうですが、少々危なっかしい面がありますから。

引き分け狙いかどうかはともかく、この交代に関しては、広島(カシッチ)のサイドアタックをケアしつつ、森脇の前への推進力を活かそう、という狙いがあったものと思います。

そして、その後の試合展開を鑑みると、その意図は上手く嵌ったという評価ができますね。

5.後半雑感4 ~広島の選手交代について1~

試合時間を30分残して、すべての交代枠を使い切った浦和に対して、広島が切ったカードは2枚。

まず、後半27分、寿人に代えてドウグラスを投入。

そして、後半37分、チャジに代えて柴崎を入れてきました。

順序は逆になりますが、柴崎投入について先にコメントします。

この時間帯はすでに浦和がペースを握っていて、広島はボールを保持することができなかったらしい。

そんな中、柴崎を投入したのは、中盤でのボール奪取力を強化する狙いがあったのだと思われます。

チャジの疲労を考慮したというのもあると思います。

ただ、交代の面子が守備的な印象を与えるので、攻撃面には目をつぶった交代、ということは言えるでしょう。

6.後半雑感5 ~広島の選手交代について2~

ドウグラスをどう起用するか。

個の強さでいえば、サンフレッチェで1番かもしれないこの選手をうまく使っていくことは、広島のサッカーに変化をもたらす意味で重要だと、私は考えるわけです。

そこで、寿人とドウグラスの交代、ということを評価すると、実は、勿体無い交代だな、と思っています。

それよりも、開幕戦のように、寿人をトップに残して、2列目としてドウグラスを起用する方が、攻撃が機能するのではなかろうか。

高さがあり、アグレッシブな強さがあるドウグラスがピッチにいる時に、一方で、相手のDFラインと駆け引きをする寿人がいる。

タイプの違う2つの攻撃ルートが存在することになりますし、それぞれのマークも分散するでしょう。

ドウグラスをシャドーに置くことに、監督として不安があるのかもしれませんけどね。

連携面で成熟している訳ではないですし。トップに置いて、ボールの収め所として活用したいのかもしれません。

しかし、彼をトップに置いても、今回のように、配給するボールを保持できないことになっては、存在感が出てきませんからねえ。

ともかく、この交代策については、私は懐疑的で、もう一段、研究の余地があると思っています。

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後編へ続きます。

ここまでお読み下さった皆様、ありがとうございました。