【ナビスコ杯】広島らしさの表裏 ~決勝戦雑感~

あれから10日経ちました。

この間、なかなかに忙しく、土日も用事が入ったりして、書く時間を取れませんでした。

ようやく時間ができたので、改めて、ナビスコカップ勝戦を観て思ったことを、いくつか書いていこうと思います。

因みに、あの時に書きたいと思ったことは、あの日、スマホに声を吹き込んでおいたのです(笑)。

さて、何から書いていきましょうか…

◆ 戦術その1 ~リード時の戦い方~

2点リードした状態から1点返されて、後半に入ったわけですが、前回書いた通り、DFラインは高くとっていたものの、プレスをかけきれなかったために、裏を狙われてしまった、と私は思ったのです。

あのラインの高さは、アグレッシブな姿勢が垣間見えて、好感度は高かったのです。

しかし、中盤を制圧されてしまったので、結果的にはあまりいい戦術ではなかったと言えます。

後半も半分までは負けてはいなかったわけですので、あそこで割り切って、ラインを下げて守備主体の戦術を取る手もあったかもしれません。

タイトルの懸かった勝負なのですから、例え「ドン引きだ」と後ろ指差されようと、守備に徹して「時」(逆襲の機会)を待つ時間帯を作っても良かったのではないかと思いました。(無論、結果論ではあるのですが。)

◆ 戦術その2 ~パワープレーに疑問あり~

さて、不本意にも、逆転されてしまったわけです。

そして、終了間際、皆川を投入して、普段あまりやらないパワープレーを試みたのですが、残念なことに、実を結ばないまま、笛を聞くことになってしまいました。

試合後によく聞かれた意見として、「パワープレーの割には、ロングフィードが少なかった」というのがありました。

確かにその通りなのですが、私は、それは少しでも有利な状態でボールを送りたかったからだ、と思ったので、それほど問題にはしなかったのです。

それよりも、私は、そもそもパワープレーを選択したこと自体が、却って良くなかったのではないか、と思ったのです。

皆川にしろ、塩谷にしろ、ロングボールをターゲットに当てて、そこから何とかしようというのがパワープレーなのですが、競り合って落としたボールを、広島が保持できる確率がどれだけあるのか、私には疑問でした。

仮に可能性が五分五分として、相手に渡る可能性が5割もあるわけです。

それならばむしろ、いつも通り、サンフらしいサッカーを推し進めた方が、ボールの保持率が上がり、チャンスの数を多く作れたのではないでしょうか。

先に浩司を入れた意味を考えれば、これは結果論ではなく、やはりそうするべきだったと、私は考えています。

◆ 戦術その3 ~パトリック対策~

この試合、遠藤の戦術眼も見事でしたが、やはり、パトリック1人にやられてしまった感が強かったのです。

今の広島は、突出した相手選手に対しても、密着マークを付ける形は取りませんね。

それはサンフのやり方なので、それはそれでOK。パトリックに関しては、ある意味仕方ないことかな、と思います。

(ミズも、やられてしまったとはいえ、スピードと人への強さは見せてくれたと思います。)

ただ、その反面、一つの戦術として「パトリック対策」を考える余地はなかったのだろうか、という疑問も持っています。

◆ 森保監督に期待すること

実は、20年前のことを思い出していました。

1stステージ優勝を目指す中、スチュワート・バクスター監督が、上村選手を、ある選手のマンマークに使ったことがありました。

(記憶にはなかったが、どうやら、清水戦でトニーニョに対して、だったらしい。)

当時の4バック2ボランチという基本フォーメーションを崩してまで、勝利のために手を打ったバクスター監督に称賛が集まったのでした。

森保監督の素晴らしさは、私も度々高評価してきましたが、敢えて不足している点があるとすれば、戦術的な幅の広さや柔軟性にやや欠けることですね。

ブレない信念を貫くのは良しとして、たまには乾坤一擲、大きな勝負手を打てるようになれば鬼に金棒、監督としてさらに一回り成長することができると思うのです。

あと、90分通して、リズムが単調になる嫌いがあることですね。試合の中でのチェンジオブペースが足りないかな、と。

この試合でも、交代選手が試合の流れを変えるには至らなかったですし。

その辺りは、色々と研究していただきたいと思いますね。

◆ ゴールパフォーマンスについて

私は、妖怪ウォッチのようかい体操について、言葉としては何となく知っていましたが、振り付けがどんなものなのか、全く知りませんでした。

なので、単にゴール後のパフォーマンスとして見ていただけなんですけどね。

何となく、嫌な予感を感じたんですよね、あれを見たとき…

槙野や森脇らが中心となって始めた、ゴール後の特殊なパフォーマンス。彼らがチームを去っても、寿人を中心に受け継がれてきました。

槙野によれば、「子供たちにサッカーの楽しさを伝えたい一心でやっている」とのこと。

(その割には、浦和ではやらないみたいですが(苦笑)。)

それなりに意味を持って、行われてきたゴールパフォーマンス。

でも、その役目はもう終わったんじゃないか、と、私は思ってしまいました。

パフォーマンスしたから負けたとか、ふざけているとか、そんなことは全く思わないんですが、今の森保流のサンフレッチェには合っていないんじゃないか、という感は強いです。

90分間自分たちのサッカーを貫くことが求められていて、その中での気持ちの緩急は必要なんだけれども、パフォーマンスの中身によっては、気持ちを緩めすぎていると感じられることがあって、そこを相手に付け込まれる危険があるな、と思ったりして。

広島は、J1を連覇し、いい試合を見せることそのもので、十分にサッカーの楽しさを伝えることができるチームになりました。

試合に勝った喜びは「劇場」で伝えることができるのですし、発展的解消、という選択肢も、そろそろ考えていい時期かもしれません。

◆ 最後に

試合の振り返りはこれで終了とします。

実はもう1つ、書きかけたことがありましたが、書いてみたら意外と論旨が弱かったので、やめました。

また、前回の記事の後に、ナビスコ絡みで書きたいことができたのですが、今回は書きません。(予定の行動。)

なお、次回以降に書くかどうかは考え中。(上手くまとまらない可能性もちらほらしています。)

予定は未定、よくある話よね(笑)。

それではまた。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。