J1はいつも悲喜こもごも2 ~J1第31節雑感~

今回は、29節に続いて、J1全体を俯瞰して、いくつかコメントしていくことにします。

なお、タイトルは前回の続編的な雰囲気ですが、シリーズ化を前提にはしていません(微笑)。

◆ 清水の気迫を見た

スカパー無料放送の恩恵に預かれず、現地に行くこともままならない私は、広島の試合を観ることができませんでした。

そこで、NHK地上波で放送された、川崎フロンターレ清水エスパルス戦を観戦することにしました。

前節の経緯、そして、そのレビューで、清水ファンから反響を得たこと(*)などを踏まえ、清水の戦いをまた観てみよう、と思ったのです。

(*)ツイッターでコメントして下さった皆様、ありがとうございます。お力になれて良かったです。また、フェースブックで薦めて下さった皆様、ありがとうございます。(私はSNSをやっていませんので、ここでご挨拶させていただきました。)

ACL出場を視野に入れ、優勝の可能性を残している川崎Fとのアウェーゲーム。

ただでさえ厳しい条件、さらに、2度もリードを許す展開でした。

チームとしてのピンチもありましたね。

2点目を失う直前の2~3分の間、なぜかバタバタして、ムダなボールロストを繰り返してしまいました。

同点に追い付いて、まだ前半で、慌てなくていい時間帯だったのに、勿体無いなあ、と思いました。

結局、リードを許して後半を迎えたのですが、前節とは、ここからが違っていました。

球際での執着心が、全く衰えませんでしたね。

効果的なカウンターも繰り出せていたし、ノヴァコヴィッチと周囲の距離感も改善されていました。

そして、逆転のゴールは、最初の縦へのトラップで、半分以上は決まったようなものでした。

この試合の清水は、何よりも、チーム全体から、諦めない、戦い抜く気概が感じられたのが良かった。

これなら、仮に負けたとしても、多くのファンは納得してくれるだろうな、と思っていました。

しかも、勝ってくれた。ファン冥利に尽きる瞬間だったのではないでしょうか。

諦めずに応援を続ける清水ファンの皆さん、今回はおめでとうございました。

もちろん、厳しい戦いは終わっていません。

残り3試合。ファンとして、やるべきことをやりましょうね。

◆ 浦和、優勝に大きく前進

浦和が今日の試合に備えていた昨日、G大阪が、仙台をホームに迎えた一戦で、痛恨のドロー試合を演じてしまいました。

残留争いの最中にある仙台の執念の前には、いかにガンバといえども簡単にはいきませんでしたね。

ともあれ、勝って暫定首位に立ち、浦和にプレッシャーをかけるはずだった、そんな目算が狂いました、

逆に浦和は、今日の横浜FM戦を勝利して、いわゆる王手をかけることができる大チャンスを迎えたことになりました。

それを踏まえての今日の試合だったのですが、勝負を分けたのは、交代選手の活躍でした。

広島ファンはよく知っていますが、ミシャはメンバーを固定する傾向が強い監督なので、ベンチメンバーは、活躍の場が限られてしまいます。

浦和でもその傾向は顕著なわけですが、そんな中、途中出場となった関根が、停滞したムードを一変させ、自らゴールをこじ開けたのでした。

おそらく、彼も試合に出られない悔しさを持ちつつ、それでも腐らず、チャンスがあればそれをモノにしてみせる、という気迫で、日々の練習に勤しんでいたのでしょう。

成果が表れて、良かったと思います。

ナビスコ杯と代表の試合を挟んでの天王山で、浦和は、G大阪に勝って優勝を勝ち取るチャンスを迎えることになりました。

星勘定でいえば、3引き分けで優勝が可能な情勢になっています。

引き分けでいいと言うつもりは毛頭ありません。

ただ、試合は相手があることなので、状況によっては、勝ちに行くことでリスクが大きくなってしまうこともあり得ます。

そういう時に自重して、結果として勝ち点1に終わってもいいと割り切って戦えることは、いい意味での余裕を生むことにつながります。

(広島の2連覇が、正にそれを実践した結果だと言えます。)

そりゃ、何点も取って華々しく勝利できればそれに越したことはありませんが、優勝が懸かる残り試合に限れば、試合内容よりもまずは「優勝につながる結果」が求められるはずです。

今年の浦和はまだ、何も成し遂げていません。やはりここでも、目前の試合を戦い抜くことが基本です。結果はその後で付いてくると思います。

もちろん、G大阪も、諦めていい段階ではありませんね。

直接対決を勝利するだけの実力がある訳ですから、まずは浦和戦を全力で戦い抜いて欲しいところです。

(その前にナビスコ杯ですよね。広島も全力で戦いますよ!)

◆ 何かを残したい広島

最後に、広島の試合について書くことにします。

ホームに大宮を迎えての試合は、アウェー戦と同じく、ドローに終わりました。

両方とも、ホームが追い付いての引き分けということになりました。

この日、鹿島と鳥栖が勝ち、この両者が最終節に対戦することから、広島のACL出場は絶望的になってしまいました。

(自身が3連勝した上で、他力本願。ちなみに、鹿島-鳥栖戦は引き分けが前提になります。)

可能性がある限り、私は諦めませんけど(苦笑)。

広島としては、試合を上向き状態で終えたことは、次回以降の試合に向けてプラスに捉えていいと思います。

しかし、監督や選手のインタビューを読むと、口を揃えて「前半の入りがなってなかった」と語っていて、それが気にかかっています。

私は常々思っているのですが、今のスタイルで戦う場合、先に失点しないことが何よりも重要になるので、せめて最初の5分間は積極的に動いて、試合の主導権を握ってほしいのです。

その意味で、前半に集中力を欠くプレーを見せること自体、あり得ないことだと思うんですね。

もちろん、戦術的に、敢えて相手にボールを渡して、リトリートして我慢する戦い方を採る場合もあるでしょうが、その場合でも、集中力を持ってやらないと戦えません。

昨日の失点は、連携の不足も指摘されていまして、確かにそれも改善するべきポイントではあります。

しかし、私が「すぽると」等で見た限り、塩ちゃん個人のミスであることは否めません。

となると、結局は、集中力の欠如が招いた失点だったと言わざるを得ません。

まあ、タクシーのドラマではないので、やってしまったことは消えませんが、終わったことは仕方ありません。

大宮戦では、試合中に切り替えはできたようです。反省はして、引きずらないことが大事だと思います。

森保監督がいつも話されている、「自分たちのプレーを90分間やり続けること」を、もう一度、チームで意識統一して、試合で見せて欲しいですね。

次は大事な決勝戦ですから。

今回はこれにて終わりとします。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。