引き分けでも満足できた3つの理由 ~柏戦雑感~

今日、10月5日、日曜日。

日立柏サッカー場で開催された、今年のJ1第27節、柏-広島の一戦。

私は、NHK-BSでTV観戦しました。

なので、本来ならば、いつもの「0.まえがき」から始めるレビューを書いているはず。

でも、今日はそれができません。

なぜか?

実は、前半15分以降、メモを取っておりません。

他のことをやっていたわけではないし、試合も観ていました。ただ、気が付くと、メモを取っていなかったのです。

ということで、試合全体のレビューは自重して、感じたことなどをいくつか書くことにします。

◆ 天候は悪かった

それにしても、今日は試合環境が良くなかったですね。

これは天候のせいなので、仕方無いことでしたが、ピッチには水が浮いて、生半可なパスでは止まってしまう勢い。

レアンドロのラストパスがその象徴でしたが、戦前の期待とは全く違う意味の試合になってしまったのは、ちと残念。

ただ、互いのカラーを表現できない分、文字通りのガチンコ勝負が展開されて、面白い試合ではありました。

両チームとも気概に満ちていて、好ゲームだったと思っています。

◆ カズの状態が心配

後半開始早々、森崎カズが傷んで、自ら退いてしまいました。

柴崎がいるので、この試合に関しては特に問題はありませんでしたが、明日以降のことは心配です。

カズ自身のケガの状況はもちろん心配。

その上、最終ラインで起用できる選手が1人少なくなるという意味で、ナビスコ杯を戦うチームにとっても心配な状態と言えるでしょう。

ただ、おそらく、森保監督のことなので、状態が万全でなければ起用を見送ると思われます。

もし、休養することになるのなら、カズには全力で休んでもらいたいですね。

◆ 勝手にオープン

ピッチの問題で、パスを回す形にならないので、自然と、中盤が省略された風になっていたと思います。

そのため、青ちゃんが、縦へのフィードを蹴りまくりでした。

そして、寿人が持ち味を存分に発揮。

裏への抜け出しや、フリーになる動きなど、見せ場を多く演出していました。

ゴールを決めることができていれば文句無しだったのですが…

でも、今日のコンディションの下では、止むを得ない部分もありました。

開始早々のチャンスも、(本来はループを狙うぐらいの技術は持っている選手ですが、)多分、あの強めの蹴り方しかできなかったのだ、と思いました。

◆ 浅野再び

後半41分、寿人に代えて浅野を投入。

付加時間を含めた約10分間のために、切り札として起用されましたが、持ち前のスピードで、攻撃のオプションになっていました。

解説の木村和司氏が、最初のシュートを、「(中央に味方が3人いたので)パスするべきだった」とおっしゃっていました。

確かに、チームが無得点に終わったことを考えると、一理ある意見だと思います。

しかし私は、「浅野はあれでいいんだ」と思いました。

彼がプロ歴5~6年の中堅選手なら、私も、和司さんの意見に乗ります。

でも、プロ2年目の若手なら、持ち味を発揮することを優先してもいいのではないでしょうか。

今は、色々なことを体験して、反省しつつ、吸収しつつ、前進してもらいたいと思います。

◆ 引き分けでも満足できた3つの理由

今日の試合、ガチンコ勝負で面白かったんですが、結果としてはスコアレスドローということになったので、互いに悔しさの残る試合だったと言えましょう。

私も、勝てなかったことを残念だとは思っています。

そんな中、私は、この試合に関しては、3つの点で、広島が柏を上回っていたと思いました。

(1)ボールへのアプローチ

グラウンダーのボールが使えず、ロングボール主体で、アバウトになったボールを奪い合う展開の中、ボールを収める割合は広島の方が多かった。

特に、ボールの動きや位置(落下点や水で停まる場所)の予測では、明らかに広島が上をいっていたと思います。

(その意味においては、レイソルはホームの利を生かせなかったと言えるかもしれません。)

(2)個人の技術

ネルシーニョ監督のハーフタイムの言葉の中に、「技術の勝負にはならない」という趣旨の発言があったのですが、私は違う見方をしていました。

というのも、広島の選手たちは、雨風と劣悪なピッチ状態の割には、パスやトラップの精度を保ってプレーできていました。

レイソルの選手たちも、技術的な大きな破綻は数えるほどでした。が、総じて、広島の選手たちの方が、確度の高いプレーをしていたと見ました。

(3)球際の集中力

これは、特にディフェンス面で際立っていましたが、決して、キーパーや最終ラインに限ったことではありませんでした。

例えば、あれはレアンドロだったか、塩ちゃんのマークを振り切った彼の背後からボールを奪取した、清水のフォローだとか、寿人が戻りながらチャージして、ボールをタッチに割らせた場面だとか。

洋次郎なども戻って守備に尽力していたし、相手に簡単にはやらせない、という姿勢が徹底していました。

レイソルも、GK切畑のビッグセーブなど、随所に集中したプレーを見せていました。

その意味では甲乙つけがたいところで、多少、贔屓目ではあるのですが、わずかでも、広島の方が上回ったというのが、私の見解です。

引き分けという結果にも関わらず、なぜ、この試合に満足できるのかというと、これら3つがすべて、サンフレッチェ・サッカーのバックグラウンドであると思うからです。

球際の強さや、戦術眼、プレーの精度。

サンフレッチェの選手たちが、これらの要素を高いレベルで保持していることが、この試合の中で証明されたと、私は思いました。

だから今日は、引き分けでも嬉しかったんです。

◆ 明日に向かって

水本の試合後の談話にもありましたが、今日の試合を無得点で終え、代表に合流するミズとシオは、気分良く向かうことができますね。

ナビスコ杯の布陣は、苦しく難しいことになりそうですが、それぞれが、それぞれの役割を全うして、それぞれにいい結果を生めるよう、頑張ってほしいですね。

◆ おまけ

これから、凱旋門賞を観ようと思います。

この記事を書いている間に、結果は出ているはずです。

スポナビを見てしまわないようにしなくては(笑)。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。