「らしさ」を取り戻す戦い ~柏戦レビュー~

0.まえがき

予定よりも1日遅れて、この記事を書いています。

前回に予告めいたことを書いたので、もっと早く書きたかったんですけどね。

待っていた方がもしも居たなら、済みません。

今日の記事は長いです。さらに済みません。

幸いというか、土日に差し掛かります。

ゆっくり時間を取ってお読みいただければありがたいです。

1.試合開始前の諸々

前回の記事で「ながら観しない」と書いたのですが、結局、食事をしながら、メモを取りながらの観戦となりました。

故障の青山と、たぶん休養の山岸が、ベンチから外れ、代わりに、ヒョンジンくんと茶島がメンバー入りしました。

また、DF陣は、千葉ちゃんがベンチスタートとなり、塩谷が真ん中、ソッコ君が右に入りました。

サイドは、右に清水、左に柏(紛らわしいので、以下、カシッチ)という布陣。

2人の並びが、中断前とは逆になっていましたね。

NHK-BSの実況は、𠮷松欣史(よしまつよしふみ)アナウンサー。

「曽根さんかなあ?」という事前予想が外れましたが、まあ、広島戦では常連ですね。

ただ、のっけから勝ち点差情報を間違えてしまい、ちょっとコケました。(𠮷松さん、済みません。)

2.期待感

立ち上がり、比較的積極的に攻める広島。

前半4分、左サイドでカシッチが持ち上がり、サイドでキープしている間、ゴール前で駆け引きをする寿人が面白かった。

菅野の好セーブにあうが、きっちりとマークを外す辺りは流石で、これは期待できそう、と思っていました。

3.いきなり失点

前節までのまずいゲーム運びを踏まえた、森保監督のコメントが、画面で紹介されました。

「しぶとく泥臭く戦うことが大事」か、フムフム、とメモっていた矢先でした。

前半11分、レイソル工藤の個人技にやられ、失点してしまいました。

ゴール前でボールを受け、トラップで水本と体を入れ替えた技術は見事でした。

加えて、(レイソルから見て)左サイドの敵陣深くで起点を作り、サイドバックボランチの間のスペースに走りこんだ橋本につなげた崩しも素晴らしかった。

広島の弱点を、綺麗に突いて見せました。

ちなみに、この場面、メモを取るのに一生懸命で、リアルには観ていません(苦笑)。

(後で「Jリーグタイム」等で確認しました。)

4.やっぱこれだね

さて、失点後、10分間ぐらいは、レイソルの攻勢を受け、我慢の時間帯だったと思います。

何分、過去2試合のことが頭をよぎるので、気が気でなかったのですが、何とか事なきを得ました。

そんな前半22分、3バックの中央に入っていた塩ちゃんが、この試合初の攻め上がりを見せました。

そして、これをきっかけに、寿人&石原のコンビがさく裂、待望の同点弾が生まれました。

やっぱり、現在のサンフレッチェには、これが無くっちゃダメですよね。

特に、ミラーゲームにおいては、数的優位を作る動き、個で突破する動き、がより効果的ですから。

この辺りは、前段の我慢も含めて、広島らしさが出たと思います。

5.お待たせゴール

前半戦も半分を過ぎる辺りまで時計が進んで、気になっていたのは、寿人や石原の動きに引き比べて、高萩が目立たないなあ、ということでした。

リーグ再開後、あまりいい評価を受けていない印象もあったので、心配していました。

そんな時に、その洋次郎が得点を挙げてみせるのですから、分からないもんです。

前半31分、左サイドでカシッチが得たFKのチャンス。約35mの距離から放たれた低い弾道のシュートが、石原をかすめて、ゴールに吸い込まれました。

私には、石原が触ったように見えたのですが、リプレイで確認すると、誰も触っていないようでした。

これが洋次郎の今季J初ゴールだったのですが、ぶっちゃけ、遅いと思います。

パス回しも大事ですが、フリック(オン)も読まれ始めていることですし、もっとシュートの意識を行動に移してほしいです。

ともあれ、リードしたまま前半が終了しました。

6.ハーフタイムの心境

逆転された後のレイソルは、それほど無理をせずに前半を終わらせたようでした。

後半にペースを上げてくる心積もりではなかろうか、と思いました。

広島の方は、攻撃時には「らしさ」が見られたので、守備の時に、少なくとも最後のところはガッツリいければいい、と思っていました。

諸々を払拭できるか? 後半開始です。

7.らしからぬ失点

後半の入りは、広島らしいゆっくりとした展開でした。

一度、厚みのある連続攻撃を見せてくれましたし、メリハリのある戦い方ができれば勝機十分、とみていました。

しかし、後半10分。

左サイド、自陣の深い位置からのクリアボールを奪われ、クロスから、中央をパスで崩されてしまいました。

この同点ゴールの場面は、DF陣が完全に泡を食ってしまいました。

クリアを拾われた時点では、ゴール前は同数になっていましたし、人を捕まえることもできませんでした。

レイソルの、ボール奪取後の「ここぞ!」という活力も称賛されるべきですが、広島の守備陣が準備できていれば、違った結果になっていたのかもしれません。

あと、追いつかれた後に、士気を鼓舞する選手がいたのかどうか、それが気になりました。(映像からは分からなかったので。)

8.勝負を分けた得点

前の2試合と比較して、この試合で良かった点は、同点に追いつかれた後の戦い方でした。

個人の印象としては、DF陣のバタバタ感が完全には払しょくされていなくて、若干心許なかったのです。

が、選手たちは、ネガティブになりそうな気持ちをこらえて、前向きに戦っていたようです。

ソッコ君が敢然とドリブルで攻め上がり、惜しいチャンスを作ると、これがスイッチになったように、勝ち越しゴールが生まれました。

左サイドで2人の選手を引き受けた洋次郎が、オーバーラップするカシッチにパスを送ると、カシッチ、そのまま攻め上がり、シュートを突き刺してくれました。

もちろん、寿人&石原が、ゴール前に向かっていたことが、レイソルDFの対応を(結果として)誤らせた要因になりました。

しかし、カシッチの思い切りの良さが全面にあふれた、ナイスなゴールだったと思います。

書いていて、一昨年の名古屋戦で航平が決めたゴールを思い出しました。(「センタリングに備える相手の虚を突いてシュート」という意味で。)

9.監督の嬉しい悲鳴が聞こえる

ネルシーニョ監督が試合後に振り返ったように、3-2となってからは、レイソルが流れを失い、広島のペースになりました。

特に、後半25分辺りからは、左サイドからの崩しを軸に、色々な選手が前線に顔を出し、波状攻撃を展開しました。

そんな中、寿人に代わってフィールドインしていた皆川が、リーグ初得点を挙げてくれました。

直前の決定機を決め切れなかった皆川でしたが(オフサイドを気にしたらしい)、石原の落としをバイシクル気味に決め切ったシュートは見事でした。

高さがあり、足元の技術もあって、キープもできる、という特徴は、近年のサンフレッチェにはいないタイプだったわけですが、入団から半年ほどで、ついに、戦力として認知されることになりましたね。

終了間際にゴールを挙げ、復活を果たした浩司の存在といい、監督の贅沢な悩みがさらに増えました(笑)。

10.クローズに成功

終盤になり、監督の「コンパクトに!」の指示の下、優位に試合を進めることができた、この日のサンフレッチェ

レアンドロにボールが入った時など、レイソルに得点の気配も感じられたものの、失点を許さず、ゲームをクローズさせることができました。

特に、後半40分以降は、完全に相手を押し込んでいました。

石原やカシッチのボールキープは出色!でした。

11.見ることができた「らしさ」

まず、この試合、5得点を挙げたわけですが、すべて得点者が違っているという点に、サンフレッチェらしさを感じました。

もちろん、昨年までは、基本、寿人が量産し、石原が辛うじて続く、というパターンで、それとは違っています。

でも、ポジションに関わらず、どこからでも攻撃できる引き出しの多さが、広島のひとつの売りであることを思えば、そもそも、得点者にばらつきがあって当然とも言えます。

結果として、MF陣の得点が多かったことも、好材料でした。

次に思ったのは、GKへのパス回しが数多く見られた、という点です。

実は、前々から少し感じていたのですが、最近、DF陣のパス回しで、卓人を飛ばして、直接逆サイドに長めのパスを送るケースが、結構見られたんですよね。

まあ、数試合ぶりに観たので、観れなかった間がどうだったのかは分かりません。

でも、2回ほど、GKのところで取られて失点というケースがあって以降、GKを介さないことが増えたような気がしていたんです。

最近どこかで読んだ意見で、「林の特徴に合わせて、やり方を調整する必要がある」というのがあり、一理あるなあ、と思いました。

それでも、相手のプレッシャーがかかったときに、パスコースのひとつとしてのGKは、非常に重要な存在です。

だから、選択肢としてベターなのであれば、GKも積極的に活用するのがいいですし、卓人としても望むところだと思います。

12.まだ残る懸念

苦手としている難敵、レイソルに快勝することができ、まずは一安心です。

やはり、勝利に勝る薬はありませんからね。次節以降に向けて、大きな一勝でした。

しかし、まだ未勝利状態を抜け出しただけ、という見方もできるわけです。

2次関数のグラフを思い出してください(笑)。

サンフレッチェの現在地は、下の頂点の位置にあります。下降から上昇に向かう「潮目」です。

これから、2次関数と同じく、上に上がっていくことができるのか、再び下向きのラインになってしまうのか?

正念場はまだ続いていると思うのです。

5-2のスコアだけで「楽勝した」という判断はできません。

バランスを崩した相手に、カウンターを確実に決めたので、点差がつきましたが、その前に2-2の状況があったのですし、レイソルもいいサッカーを展開していたわけですし。

この試合を観て、ディフェンス面は、まだピリッとしてはいないか、と感じました。

球際のところは、以前はもっと厳しく行っていたはずです。

人数が多い割には効率よく守れていないような、そんなことも思いました。

「ボールウォッチャーになりがち」な癖ものぞかせていたし、ここはより整備が必要でしょう。

その意味で、試合終了直後に、水本や寿人、卓人らが、意見を交わしていたのは良かった。

勝った時こそ、反省。

前向きに振り返り、次の戦いに備えてほしいと思います。

13.あとがき

推敲のために読み返したところ、私が思ったことと逆の流れになるパターンが頻発(苦笑)。

新規の記事を書き始めた時間って、投稿日時に表示されているじゃないですか。

いま、書き始めからの時間を計算しましたが、どえらいことになっていました。

所要時間は内緒にしておきます。

これ、スマホで読んだら、何ページになるでしょうかねえ…

これだけ長いと、本来は分割するべきところなのでしょうが、今回はこのまま載せることにします。

次回以降は、善処します。

次節は、明日ではなく、明後日、日曜日に開催があります。甲府戦で、1巡目が終わることになります。

プレビューするか否か? 予定は未定です。

…以上だぜぇ(古い…)。

最後までお読み下さった皆様、本当にありがとうございました。