行楽日和という落とし穴 ~清水戦レビュー~

0.伏線

水曜日にACLに参戦して少し散財したので、出費節約のため、今日はTV観戦に。

3戦続けてのスカイ・A sports+ HD チャンネル。解説は、元気丸でおなじみの吉田安孝氏に、プレーヤー解説として中島浩司氏という布陣。

試合前のレポート。慣れ親しんだホームスタジアムということで、前回見たよりもリラックスした口調のナカジ。

リポーターの掛本智子さんが、「今朝は寒かったけど、暖かくなりましたね!」みたいなことを伝えていて、「あれ?今朝寒かったけ?」と思ったが、その時は、まさかそれが伏線になってしまうとは考えもしなかったのでした。

(ちなみに、朝の気候のことは、単に布団の中にいたので気付かなかっただけなのでした(苦笑)。)

1.勝因はコンタクトレンズ!?

清水と言えば、トップの3人が前からプレッシャーをかけてくるイメージがあったので、立ち上がりは苦労するかもしれないと考えていました。

しかし、序盤はエスパルスがガッツリプレスで来ることはありませんでした。

試合開始直後、清水のGK櫛引が何やら訴えている。何かアクシデントか?と思ったが、どうやら、コンタクトレンズにトラブルがあった模様。

この1~2分の中断により、スタジアムは牧歌的な雰囲気に(想像)。

体力面を考慮し、なるべくゆっくり試合に入りたい広島に、有利に働いたかな?などと思ったりしてました。

2.ザックの目にどう映っただろう?

この後、程なくして広島に先制点が生まれました。

立て続けに迎えたコーナーキックのチャンス。左からのCKは防がれますが、直後の右からのCKで、清水DFのヘディングがファーに流れたところを、フリーの2選手が狙いました。

ゴールしたのは塩谷。チーム得点王争いの単独トップに立ってしまいました(微笑&苦笑)。

W杯日本代表の発表を明後日に控え、ザッケローニ監督が視察に訪れていたので、直接アピールできた形でしたね。

この試合だけで代表が決まるというものでもないんでしょうけど、僅かな要素で当落が決まる場合もあり得るので、少しでも実績を積んでおくことは大切です。

ブラジルの次にも、ロシア、カタールとありますからね。

3.岩に染み入るのです

先制した広島は、いつも通りの確実なポジショニングで、エスパルスに付け入る隙を与えません。

エスパルスも、サイドから形を作ってチャンスを窺っていました。しかし、サイド一辺倒だったため、怖さを与えられませんでしたね。

もう少し、中央からのアタックもちりばめながら、攻め手を増やしていく方が良かったのではないでしょうか。

こうして、ブロック待機の広島を崩すための方策を、清水側が見出せないまま、前半が終了しました。

4.流れを変えた失点

後半のアタマから、清水は高木俊幸をピッチに投入して左サイドに。大前を右サイドに置く形で、サイドからの圧力を強めようとしたようでした。

それでも、最初の5分ぐらいは、前半のいい流れのままボールを保持する、広島の優勢は変わらないと考えていたのですが…

後半7分。自陣の中央で3~4人に囲まれ、森崎浩がボールを奪われると、フリーでパスを受けたノヴァコヴィッチに、あっさりゴールを決められてしまいました。

このシーン、解説者は、清水のプレッシングがうまくいったという解釈を採っていましたが、私は、あの位置でボールを受けた時の、コージの判断のスピードが遅かったのではないか、と思いました。

あそこに限っては、危険なエリアからボールを出す意味で、個人でのボールキープより、パスを選択できれば良かったですね。

5.好天の罠

同点になり、活気づくエスパルス。逆にサンフレッチェは、少し慌てているのか、思うようなボールキープができなくなった印象。

最近の広島にしては珍しく、落ち着きを欠く状況に陥ってしまったようでした。

特に、中盤の主導権争いの中で、広島の動きがルーズになってきた感が大きかったです。

今日の広島は天気が良く、絶好のスポーツ観戦日和。エディオンスタジアムに12960人、カープマツダスタジアムには29771人が訪れました。

しかし、気温23.9度(Jリーグ公式記録)という暑さが、サンフレッチェ選手の疲労した体には応えたようで、皮肉な誤算になってしまいました。

6.消えた後半戦

結局、後半は終始清水エスパルスのペースのまま進んでいきました。

石原や寿人は、ゲームから消えてしまいました。

森崎兄弟やミキッチも、スタミナの消耗が顕著で、効果的な働きができなくなっていました。

疲労の目立った航平に代えて柏を投入するも、清水のヤコヴィッチが強く、サイドアタックの不足を補うまでには至りませんでした。

相手のシュートミスやパスミスゴールポストさんのお導き等がなければ、一敗地にまみれていたでしょう。

1-1、ドローという結果は、運が味方してくれたとして納得するのが妥当なのでしょう。

7.積み重ね

清水エスパルスの現況がよく分からなかったこともあり、今回はプレビューをしなかったのですが、3連敗中のチームだとは思えない内容の良さにやられましたね。

もちろん、前半の優勢だった時間帯に加点していれば、清水のいい形を出させないまま終わらせることができたのかもしれませんが…

とにかく、後半の早い時間に「安い」(と私が思った)失点をしたことが、清水のいい面を引き出すことにつながりました。

それでも、悪いなりにも引き分けで終われたことは、ポジティブに考えられる要素にはなりました。

ここは、勝ち点1を大事に考えることにしましょう。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。