鹿島戦レビュー
完敗でした。
運動量の差はもちろんのこと、集中力、したたかさ、気迫までも、この試合では鹿島が上回っていました。
1.天皇杯の再現
観戦している時は気が付かなかったのですが、今回の敗戦は、元日の天皇杯決勝で、横浜FMに敗れた時と似ていました。
コンディションで上回り、活きのいい若手を揃えた鹿島は、後方のボール保持者に対して、積極的な前プレを仕掛けてきました。
いつもなら技術で躱せるはずのパス回しですが、スムーズに躱せたシーンは後半に1回あったぐらいで、楔のパスにうまく結びつける場面は少なかったように見えました。
それでも、前半はサイド攻撃からいい形を多く作っていたのですが、精度を欠いたり、呼吸が合わなかったり、シュートがキーパーの正面だったりで、得点には至りませんでした。
そして、後半になっても衰えない、鹿島のプレス力とバランス感覚に、最後は攻め手すら失ってしまいました。
2.疲労と敗因
直接の敗因は、先制点を許した、林選手のパスミスだったと言わざるを得ません。
前節の新潟戦は、曲がりなりにも無失点で我慢することができたので、勝ち点を得ることができましたが、今節は、試合開始早々に先制されたため、必要以上の無理をしなければならなくなりました。
そして、昨日の広島は、ビハインドを跳ね返せるだけのコンディションにありませんでした。
気になるのは、肉体的な疲労よりもむしろ、頭の中の疲労が、プレーに影響してしまっていることです。
先ほど触れたパスミスの件にしても、2点目を与えた一瞬の空白にしても、判断力や集中力が、疲労によって衰えていたとしか思えないのです。
3.すべてはこれからだ
これで、広島はリーグ戦2敗目となりました。順位も4位と後退しました。
しかし、言うまでもなく、今期はまだ9節を終えたばかり。あと25試合もあります。
勝ち点差もあって無いようなものですから。
林選手ですが、彼には、これに懲りずに、パス回しにチャレンジし続けてほしいと思います。
今回は高い授業料を払った形ですが、泳げるようになるためには、おぼれることを怖がってはいけませんから。
すべてはこれからです。
4.最後に
私は、敗因の1つとして、疲労の蓄積を挙げました。
これは、客観的事実だと考えていますが、単なる言い訳だと捉える向きもあるようです。
だから、最後に強調しておきます。
選手たちは誰一人として、疲労を言い訳にしていません!
最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。