川崎戦における広島の成果と課題(遅まきながら)

10月29日の福岡戦は、森崎浩司が自らの記念試合を飾るゴールを決める、という、出来過ぎのような出来事がありました。

また、寿人やAロペが待望の得点を挙げる、という嬉しさで、見事、連敗を止める勝利となりました。

セレモニーも感動的だった由。ピッチには立たなかったけど、駒ちゃんも残ってくれましたね。

例によって、青ちゃんの涙腺はゆるゆるだったみたい(微笑)。

でも、きっと多くの仲間やファンサポが泣き笑い状態だったことでしょうね。

浩司選手、いったん、お疲れさまでした。残り5試合、よろしくお願いしますね!

さて、10月31日に、遅ればせながら書き始めた当記事なのですが、実は1回、ボツにしてしまいました。

思い付きで余計な味付けをしようとしたら、文体が石臼みたいに硬くなってしもうたんです(苦笑)。

その後も何やかんやあって、もう最終節も直前というタイミングになりまして。

福岡戦の結果を踏まえると「ちょっと今さら感」が無きにしもあらず。

実際、もう書かずに謝る、という選択肢もありました。

でも、それはそれでややこしいなあ、と思ったので、時機を外してはいますが、やっぱり書くことにしました。

ということで。

今回の記事は、2016年10月22日に行われた川崎-広島戦の、レビューの続編という位置づけで、そのときに書き残した諸々について書きます。

よって、以下の文章では、福岡戦の話には触れません。

あくまでも、川崎戦を観て思ったことを書いていきますので、そのつもりでお読み下さい。

(一部、例外あり。)

◆ 久々に見た「連動したプレス」

これまで当ブログでは、特に今年に入ってから、再三、広島のプレスに連動性が乏しいことを指摘していました。

それが、この川崎戦では久々に、複数人による連動したプレス守備が多く見られました。

連動したプレスができるということは、最初のプレスに対する相手の対応や、ボールが次にどこへ動くかということなどを、各人が事前に予測できた、ということです。

これは、プレスに行かない時、自陣でブロックを敷いている時にも言えたことでした。

選手の「読み」を活かす場面が沢山見られました。

プレス自体は、3週間のブレイクでオフの時間を取れたことが、あれだけの激しさをもたらした大きな要因だと思うのですが、連動性という部分は、ブレイク期間の練習で、相当意識して取り組んだんだろうな、と想像しました。

本当は毎試合、こういう守備を見たかったのですが、それは済んだこと。

今後は、90分のマネージメントとバランスを取りながら、突き詰めていってもらいたいと思います。

◆ 取り戻した「内容」

メリハリあるプレスとバランスの良さで、年間1位をにらむ川崎を苦しめた、あの日の広島でした。

川崎は長時間、自分たちのペースを握ることができませんでしたし、ミスも目立ちました。

広島が、試合開始直後から攻撃的な姿勢を見せたことが、その大きな要因になっていたことは明らかだと思います。

そういう意味で、今回の川崎戦は、昨年の広島が現れた試合だった、とも言えます。

広島ファンサポの多くが「内容は良かった」との感想を持っておられたようですが、私も、それに強く同意しています。

◆ 相容れなかった「結果」

しかし、しかし試合には敗れました。

「内容で広島が川崎を上回っていた」のは、贔屓目にみても間違いないと思うのですが、それが「結果」には反映されなかったのです。

その要因は何だったのか。

おそらく多くの方が想像されている通り、それは「決定力」の問題だと、私は思います。

NHKの集計では、前半の広島のシュートは7本でした。

そこそこの本数ですが、しかし私は、「それらは多分枠には行ってない」とメモしています。(NHKでは枠内1本。)

「どこかで決めれたらラクになんのに…」とも書いています。

後半も、Aロペのポストに当てたやつとか、ウタさん(ヘディング)や寿人がGKの正面に飛ばしたやつとか、得点を奪う機会を多く作りながら、結局は1点にもならなかったのです。

(塩ちゃんのアレにしても、審判批判が多かったですが、見方によっては「オフサイドにならないように上手くできんかったか」とも言える訳ですよね、いま思えばね。)

◆ 求められる「決め切る力」

この試合、川崎は、交代出場の選手がゴールを決めました。

苦しみながらも川崎は、勝負強さで広島を上回ったわけです。

レビュー本体で「ここぞという所で決め切ることができない広島と、最後に何とかしてしまう川崎」と書きましたが、「決定力」の差が、この試合の明暗を分けたことは間違いありません。

無論、相手がいる中で得点を決め切ることが容易いことではない、のは承知しています。

それでも、メンタルを含めた「決め切る力」は、選手たちに追求してもらいたいと思います。

◆ 居場所を見つけたAロペ

最後に、川崎戦で特に気にしていた2人の選手について語ろうと思います。

まずは、Aロペ。

3週間の中断がプラスに作用した選手の代表が、この選手でしょう。

最初のワンプレー、敵陣深くで相手DFを追い回す姿を見て、思わず「いいねえ!」と口に出してしまいました。

その後も、プレスの駒として、また、ボールの収め所として、存在感を見せてくれました。

故障前の所在なさげな雰囲気とは変わっていましたね。

人を使う術を手に入れた印象です。

但し、課題はまだ残っていますし、連携面でもまだまだ上昇の余地を残しています。

(ポストに当てたシュートは、「これを決め切ったら信頼してもらえるのに」と思って残念でした。)

あと、カウンターでAロペが持った時、ややスピードが落ちることがあって、それは勿体なかった。

味方の上がりを待つ意図もあったでしょうが、自分で行った方がいいケースもあったと思うので、判断を早くすることができればいいですね。

そういう課題はありますが、それでも、Aロペがチームに溶け込んできた、という実感を得られたのは良かった。

残り5試合は、彼にとって、非常に大事な試合になります。

福岡戦での2ゴールを、いい方に転がしてほしいと願います。

◆ 皆川の献身

練習内容を評価され、久々の先発を果たした皆川もまた、この試合で奮闘した一人でした。

ゴールを決めることができなかったため、どうしても評価が低くなってしまう皆川なのですが、彼のチームへの献身は、もっと評価してあげたい部分です。

レビュー本体でも書いた、プレスバックしてボールを奪取する場面、ボールを収めるために縦横に動き回る姿は、目に見える以上に、チームにリズムを与えていたと、私は思うのです。

最後は足をつってしまい、交代することになってしまいました。

しかし、最近の広島に足りなかった「走る」意識、運動量を惜しまない動き、そうしたものを目に見える形で示してくれたことを、私は彼に感謝したいと思います。

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以上、難産でしたが、川崎戦を振り返って書いてみました。

最初に書いたように、時機外れで何だかなあ、という気が、自分でもしております(苦笑)。

本来は、「内容」とか「決定力」の辺りをもう少し突き詰めたかったのですが、若干、中途半端になってしまいましたし。

諸々、今後の教訓にします。

ああ、あと1時間で新潟戦です。

ちょっと急ぎますので、ここで失礼します。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。