神戸戦レビュー

昨日の神戸戦は、互いにチャンスを決め切れず、スコアレス・ドローに終わりました。

1.意外なメンバー構成

注目された広島のメンバーですが、前節の鳥栖戦でベンチスタートだった7名のうち、GK以外の6人がスタメン入りしました。

一方、ベテランの山岸と共に、若手の野津田が、ベンチからも外れることになりました。

意外だったのは、石原のベンチスタートです。青山や塩谷については想定の範囲内でしたが、石原にもやはり疲労の影があったということなのでしょうか。それとも、ACLを見据えてのことでしょうか。私にはよく分かりませんでした。

2.立ち上がりの圧力

前後半とも、立ち上がりは神戸が前から圧力をかけ、広島のパス回しを自由にさせない戦略に出ました。

前半20分ぐらいまでは、神戸のプレスが効果的で、サイドの優位性も神戸が確保していました。

また、森岡からのバイタルへの楔の縦パスも良かったですね。

3.少し盛り返す

さて、広島の初シュートは、前半30分でした。

その前から、単発的には攻撃に向かえるようになっていましたが、初シュート以降、神戸の圧力がやや弱まったか、広島がペースをつかみ始めました。

サイドから崩す形も見えてきました。

4.前半終了

前半を終了しての感想は、双方ともにゲームプランとしては満足のいくものだったかな、と思いました。

特に広島側としては、前半抑え目で後半に備える、よく見る形なのかな、と。

もちろん、相手のシュートが2度ゴールに「当たる」というラッキーがあったから言えることなのですが…

5.消化不良気味の後半戦

期待を持って迎えた後半でしたが、立ち上がりからの神戸の圧力もさほど長続きせず、ゲームは落ち着き、一進一退の状況になりました。

やはり、両チームとも、連戦の疲れの影響は拭えませんでしたね。

選手交代で局面の打開を図る両者でしたが、状況は変わりませんでした。

広島・ミキッチや神戸・松村の小気味いい動きを、もっと活用していければ良かったのですが。

その後も、単発的には、神戸・小川や広島・佐藤らに見せ場がありました。しかし、大きな動きはないまま、試合終了となりました。

6.凡戦の評価、止む無し?

最近、「塩試合」という言葉がよく使われるようになりました。

明確な定義はよく分かりませんが、内容的につまらない試合のことを指して使われているようですね。

そういう意味で、この試合を塩試合だと断じる人もいるでしょう。

実際、後半のペースダウンは否めませんでしたし、交代メンバーも、決定的な仕事はできませんでした。

ただ、選手たちは決して言い訳にはしませんけれども、客観的に見れば、連戦の疲れから動きが鈍くなっていることは明らかで、選手たちが人間である以上、止むを得ないことなのではないかと思います。

そういう背景を無視して、単に塩試合だと断罪するような態度は感心しないな、と個人的には強く思います。

7.緊張する王様

ダブル解説者として、吉田孝行氏と共に登場した中島浩司氏。

サンフレッチェの王様は、緊張からか、大人しい入りでした(微笑)。

試合中も、吉田氏がナカジに話を振る場面が目立っていましたし、解説者としての格は、現状は吉田氏優勢のようでしたね。

それでも、時が経つにつれて、朴訥としたナカジの人柄がにじみ出てきて、味のある話ぶりになってきました。

そこは「臨機応変な修正能力」ということなのでしょうか。良かったと思います。

8.アジアの頂点へ一歩踏み出す

Jリーグでの戦いは一休止。水曜日には、いよいよACLノックアウトステージに突入です。

昨日ベンチスタートだった面子を中心にメンバー構成がなされるはずで、そこに、ベンチ外だった山岸や野津田、浅野辺りがどう絡んでくるか、という感じになるでしょう。

って、当たり前か(笑)。

昨夜の「すぽると!」で寿人が答えていたように、出る選手も出ない選手も、チーム事情や監督の意図を十分に分かっていて、モチベーションを下げることなく戦えていることが、何より心強いです。

私も、仕事的に問題ないようなら、是非ともスタジアムに駆けつけて、バックアップしたいと思います。

(敬称略)